台湾メディアは6日、商業衛星地図「グーグルアース」の最新版で、中国共産党が福建省漳州市と福州空港福州長楽国際空港周辺の丘陵地に防空陣地を大規模に拡張していると明らかにした。
防空陣地は本来の1個から2個に増やされた。台湾の「雄昇」巡航ミサイルシステムに対応するためとみられる。
台湾の国防安全研究院の国防戦略・資源研究所の蘇紫雲所長は、ロシアのウクライナ侵攻後、グーグルが衛星写真からロシア軍事施設の「モザイク」を削除し、その結果、中国共産党の軍事施設も外部に露呈されるようになったと分析した。
蘇氏は、これまで露呈した基地は一部に過ぎず、中国の中距離防空システムである「HQ-6」が配備されているはずで、空港を守るとともに、台湾の「雄昇」ミサイルを迎撃して後方を援護していると考えている。
これに先立ち、台湾の立法院は今年1月に特別予算を可決し、推定射程1000〜1200キロの「雄昇」地対地巡航ミサイルを追加購入した。これで中国共産党東部戦区の軍事拠点の大半をカバーしている。理論上には、江蘇省、浙江省、安徽省、江西省、福建省、上海市の6省市をカバーし、江蘇省北部のみ射程外という。
台湾の軍事専門家である李正修氏は、ボイス・オブ・アメリカとのインタビューで、中国大陸が台湾を狙う短・中距離ミサイルは現在約2000発あり、「撃たれる」ことを避けるためには、台湾がより正確で射程の遠い地対地ミサイルを購入する必要があると語った。台湾海峡で軍事衝突が起きた場合、中国共産党は主に福建省に集結し、福州市と漳州市の2つの防空基地に頼って攻勢をかけるため、台湾は対岸の軍空港に反撃する能力を備えなければならない。
李正修氏は、福州市と漳州市における中国の防空陣地の拡大について、中国側の意図は「雄昇」による空港とその周辺への被害を減らすことだが、それが達成できるかどうかは「台湾のミサイルが中国空軍の防空火網を越えられるかどうかにかかっている。ミサイルは低く飛べば飛ぶほど、相手側のレーダーに探知されにくくなるからだ」と分析した。
(翻訳・藍彧)