躺平は本来、中国の若者が中国共産党に対抗する非暴力非協力なライフスタイルとされている(ネットより)

 「上海の一部の企業家と投資家」と署名した公開書簡が最近、ネット上で流れ、「寝そべりしてゼロになり、仕事は再開しても生産はせず、第20回全国代表大会(第20回党大会)を静観する」と呼びかけている。

 「躺平(タンピン)」(寝そべり)は本来、中国の若者が中国共産党に対抗する非暴力非協力なライフスタイルとされている。つまり、中国の一部の若者が競争社会を忌避し、住宅購入などの高額消費、結婚・出産を諦めること。

 しかし、5月31日からネット上では、「上海の一部の企業家と投資家」と署名した公開書簡が流れている。公開書簡では、中国の現状が次のように書かれている。「外部環境は四面楚歌(しめんそか)で、内部政府の信用は崩壊し、都市封鎖を解除する日は、すなわち外資が国内から脱出する日である。そして、大規模な企業倒産と再編が起こり、国民の経済回復への最後の幻想が打ち砕かれる。数百万人の大学生が卒業と同時に失業し、社会の動揺は避けられない」

 公開書簡はいくつかの措置を発表し、より多くの人に参加を呼びかけているが、そのほとんどの措置が中国共産党政権を脅かすものである。「不良資産の売却」は中国共産党の金融システムに衝撃を与える。「今後数年間は新卒者を採用しない」は雇用危機を悪化させる。「既存の従業員の賃下げを促す」は社会の動揺を引き起こす。「海外市場の開拓」は中国国内の資金流出を加速させる。

「上海の一部の企業家と投資家」と署名した公開書簡(ネットより)

 李克強首相は5月25日、10万人の中国共産党幹部をテレビ会議に招集し、会議では中国共産党が直面している経済苦境を重点的に説明した。この稀な会議は中国の経済危機の深刻さを浮き彫りにした。

 上海市政府は6月1日から封鎖を解除すると発表し、即時の操業再開を強調した。この公開書簡は、この重要な時期に、単なる企業の自助行為ではないことが危惧される。

 公開書簡では、筆者の身分が「企業家、投資家」であり、「上海と全国で数千億元の投資規模に座り、数百万人を雇用している」こと、また、「都市封鎖の際、住民のために食料など生活必需品をリーダーとしてソリティア的に購入する『集団購買ソリティア軍』に参加していた」ことを強調した。明らかに十分な政治的背景を持っている。

 米国の中国語メディア「希望之声」の評論によると、公開書簡に書かれている「第20回党大会の開催を静観し、我々に一線の生機をもたらすかどうかを見よう」というのは、習江両派の党内闘争に関係する可能性があるという。これは、江沢民や曾慶紅らが第20回党大会を利用してクーデターを企んでという、上海の大物からの密かなシグナルであるかもしれない。上海企業界の「寝そべり」で協力しないやり方は、中国の経済を脅かし、失業を深刻化させ、中国共産党政権の安定を脅かしている。

(翻訳・藍彧)