中国では「工、其の事を善くせんと欲すれば、必ず先ず其の器を鋭くす」といい、これは「職人が、良い仕事をしようとする時には、先ず、良い道具を揃える」という意味です。
ただし、道具ではなく、いくつかのコツを知っていれば、少ない労力で大きな成果をあげることができます。
料理においても、ちょっとしたコツが、料理を美味しくし、より豊かな食生活に変えてくれるはずです。
今回は、料理に役立つ19のコツをご紹介します。
1、青菜を炒める時、水を加えない
青菜(緑色の葉野菜)を炒める時、冷水を加えると、青菜が萎えて、不味くなってしまいます。また、青菜は素早く炒めましょう。
2、レンコンを炒める時は、少量のお湯を加える
レンコンを炒める時、途中で少量のお湯を加えると、レンコンの変色を防ぎ、瑞々しさを保ち、柔らかく調理することができます。
3、ナスは、切ったらすぐに調理するか、水に入れる
ナスは、切るとすぐに酸化して変色します。しかし、すぐに火を通したり、水にいれたりすれば、変色を防げます。また、ナスを炒める時にお酢を少量入れると、炒めたナスの色が黒くなることを防げます。
4、卵を炒める時、少量のお湯を加える
例えば、スクランブルエッグを料理する時、卵を炒める途中に、卵1玉に対して大匙一杯のお湯を加えてよくかき混ぜると、ふわふわとした食感になり、美味しくなります。
5、魚のスープは、冷水から煮込む
美味しい魚のスープを作るには、冷水を使います。冷水と魚などを鍋に入れて加熱して、沸騰させた後、灰汁をきれいに取れば、臭みを取り除くことができます。また、沸騰するまでの時間で、魚肉のたんぱく質がゆっくりと固まり、魚肉の旨味が、スープに十分に抽出されます。
さらに、濃厚なスープを作るには強火で煮込み、透明なスープを作るには弱火で煮込みます。
6、蒸し器の水が沸騰してから、魚や肉を入れる
蒸し器の水が沸騰してから、肉や魚を蒸し器に入れることで、いきなり高温の蒸気が、魚や肉の表面を加熱します。その結果、魚や肉の表面がすぐに収縮し、内部の肉汁の流出を防ぎ、魚や肉の味をさらに美味しくします。
7、豆腐の臭みは、熱湯に浸して取る
豆腐が好きだけど、大豆の匂いなどが気になる方は、豆腐を熱湯に10分間浸してから調理しましょう。これで、大豆特有の匂いが激減します。
8、骨スープを作る時、途中で冷水を足さない
骨スープを作る時、煮込み中で冷水を注ぎ足すと、スープの温度が突然下がり、タンパク質と脂肪が急速に固まり、栄養と味に影響を与えてしまいます。スープの量が足りない時は、適量の沸騰したお湯を入れるか、最初から十分な水を用意することをお勧めします。
9、目的に合わせて、お肉を煮る方法
お肉を煮る時、スープを美味しくしたい場合は、お肉を冷水に入れてからゆっくりと煮ましょう。対して、お肉を美味しくしたい場合は、水が沸騰してからお肉を入れて煮ましょう。
10、ラードを作る時、鍋に少量の水を入れる
ラードを作る時は、事前に切った豚の脂肪と一緒に少量の水を鍋に入れましょう。水が、焦げ付きを防ぎ、不純物や灰汁を取り除き易くなります。
11、細切り豚肉は、湯通しして炒める
例えば青椒肉絲(ピーマンの肉炒め)を作る時に、豚肉の細切りは、炒める前にザルなどに入れて、沸騰したお湯に満遍なく潜らせます。肉の表面が白くなってきたら、すぐ水気を切り、鍋に入れて炒めます。このように調理した豚肉は、パサパサにならず、柔らかく美味しくなります。
12、殻をむいたエビは、塩と重曹で揉み洗い
エビは、ボウルに入れて、まず、塩と重曹を少し加えて、手で軽く揉み洗いします。水を加え、しばらく浸した後、清水で洗い流します。こうして下処理されたエビは調理後も、水のような透明感を出し、爽やかで柔らかく美味しくなります。
13、お酢の効果
肉料理を作る時、料理酒を入れた後、お酢を少し入れると、お肉が香ばしくなります。また、野菜を調理する時、お酢を少し入れると、野菜はおいしくなるほか、栄養分もしっかりと保つことができます。お酢は、うまみ成分やビタミンなど栄養価をキープする効果があります。
14、野菜料理は「作りたて」が一番!
野菜料理は、できるだけ「作りたて」を食べましょう。おいしさと栄養価の損失を防ぐためにも、長時間の保存や頻繁な加熱を避けましょう。
15、魚は、重曹水で下処理
太刀魚(タチウオ)など、生臭い魚は、水だけで洗っても、生臭さが取れません。その場合、しばらく魚を重曹水に浸し、清水で洗い流せば、簡単に生臭さを取り除くことができます。
16、牛肉を柔らかくする下処理
加熱前の牛肉に、適量のビールと小麦粉をかけ、よく混ぜてから30分間前後置きましょう。ビールの中の酵素が、牛肉のたんぱく質を分解させ、固い牛肉を柔らかくします。
17、パプリカは、素早く炒める
パプリカは強火で素早く炒めると、爽やかな食感を楽しめます。塩や酢などの調味料を入れて素早く炒めたら、すぐにお皿に移しましょう。栄養価の損失も最小限に抑えることができます。
18、豚レバーの下処理
豚のレバーは、少量の酢を混ぜた水にしばらく浸して、清水で洗い流してから調理しましょう。下処理をしてから、炒めた豚のレバーは食感が良く、抜群に美味しくなります。
19、もやしは、少し酢を入れて炒める
賞味期限が短い「もやし」ですが、炒める時も素早く炒めましょう。炒める時に少量の酢を入れると、渋みが取り除かれ、サクサクとした食感になります。
以上、料理を美味しくする19のコツをご紹介しました。どれもすぐに試せるものばかりです。今日の食卓に花を添えてみてはいかがですか?
(翻訳・金水静)