中国共産党(以下、中共)当局は、ソロモン諸島の他に、少なくとも太平洋諸国2カ国と安全保障協定の締結に向けて交渉しており、太平洋における影響力を急速に強めている。英紙フィナンシャル・タイムズ20日の報道で分かった。
フィナンシャル・タイムズ紙は20日、中共がフィジーやパプアニューギニアなどの島国と安全保障協定に署名したと報じた。米国の同盟国の情報当局者の話として、米国インド太平洋軍の本拠地であるハワイから3,000キロ離れた太平洋の島国であるキリバスとの安全保障協定交渉が最も進んでいるという。「この協定はソロモン諸島とほぼ同じ内容になる」と当局者は懸念を表明した。
キリバスの野党党首テシー・エリア・ランボーン氏は、「中国(中国共産党)は我々の地域の戦略的場所に軍事的プレゼンスを確立しようと計画しており、我々はその計画における次のターゲットである」と述べた。
また、中共は20日、バヌアツ共和国第2都市であるルーガンビルの国際空港をグレードアップして建設することに合意した。同空港は第二次世界大戦中に米軍の主要基地として使われた。
米国務省の関係者は、米国がそれらの安全保障協定、特にキリバスに対する懸念を有し、「非常に真剣に」受け止めていると述べた。中共は、軍事的または準軍事的な方法で活動できる場所を世界的に拡大しているようだ。 中共政府は、太平洋の島々に「戦略的拠点」を構築しようとしている。
米国は今年9月にソロモン諸島とのハイレベル戦略対話を開始し、相互の安全保障上の懸念や公衆衛生、金融などの分野での協力拡大を協議する予定である。
(翻訳・徳永木里子)