2019年の香港民主化デモ(Wpcpey, CC BY 4.0 , via Wikimedia Commons)

 ワシントンDCに本部を置く香港民主委員会(HKDC)が24日、初の調査報告書を発表した。香港の政治犯の人数が「2019年-2020年香港民主化デモ」以降1000人を超え、最終的に2000人になると予想される。

 37ページにわたる報告書のタイトルは、「Hong Kong Reaches a Critical Milestone(香港は重大な節目に到達)」。報告書によると、2019年6月9日から2022年5月10日まで、香港には1014人の政治犯がおり、そのうち582人はまだ拘留中、432人は刑期を終えた。また、暴動や香港の国家安全維持法違反容疑、および反乱扇動などの罪名で、1000件以上の政治事件が進行中である。

 報告書では、香港の政治犯の数字が今後も増え続け、今後大きな政治事件が起きなくても、政治犯の数は最終的に1500人から2000人に達すると予想している。

 また、1014人の政治犯は、非政府組織(NGO)や労働組合のリーダー、ジャーナリスト、人権活動家、教師、学生、弁護士、政治家など、香港社会の各業界の市民に及んでいるという。政治犯の4分の3以上が30歳以下、半数以上が25歳以下、さらに15%が未成年である。18歳から25歳までの年齢層が受けた刑期は平均的に長い。

 香港民主委員会のエグゼクティブディレクターである梁継平(りょうけいへい)氏は、「投獄された人たちの刑期を合計すると、なんと772年にもなる」とボイス・オブ・アメリカ(VOA)とのインタビューに語った。

 香港民主委員会は、香港の人権がすでに深刻な危機に瀕していると同報告書で分かった。米国政府に制裁リストの拡大し、政治的に迫害されている香港の人々が香港から離れる人道的ルートの提供を加速するよう呼びかけた。また、国連人権委員会に香港政府による人権侵害を調査するよう促し、すべての政治犯の即時釈放を要求した。

(翻訳・徳永木里子)