連邦準備制度ビル(AgnosticPreachersKid, CC BY-SA 3.0 , via Wikimedia Commons)

 米中央銀行にあたる連邦準備制度理事会(FRB)による大幅な政策金利引き上げの影響で、米国株は9日、市場が全面的に変動の衝撃を受け、広範囲な投げ売りに見舞われた。テクノロジー株を主とするナスダック指数は日中3.5%以上、S&Pは2.5%以上下落した。これは今年に入ってから未曾有な現象だ。

 FRBは3月の前回会合で、22年に政策金利を2.5%の幅で計7回引き上げる想定を示したばかり。だが、米インフレ率は40年ぶりの高水準にとどまり、FRB目標の2%を大きく上回って推移。FRBは3、4日、金融政策を協議する連邦公開市場委員会(FOMC)を開催した。2000年5月以来22年ぶりとなる0.5%の大幅利上げと「量的引き締め」と呼ばれる金融資産の圧縮に乗り出すことを決めた。米ウォール街のエコノミストはFRBが1980年代以降で最も積極的な引き締め策を実施し、投資家が経済への影響やインフレ抑制の実際の効果について懸念していると考えた。

 米国の投資会社アンダーセン・キャピタル・マネジメントの創設者であるピーター・アンダーセン氏は、市場の変動は、人々がどこへ向かっているのかという問題に大きな困惑を示しており、見通しは不確実性に満ちていると考えていると述べた。

 金融の引き締めは、世界経済の成長に与える影響をさらに悪化させた。国際的には、中国共産党の極端な封鎖措置や東欧での戦争が国際的な経済成長のボトルネックを悪化させ、個人消費の削減につながった。FRBの政策は暗号通貨にも大きな衝撃を与え、ビットコインが9日の朝、6%下落して3.2万ドル(416万円)台となった。

 これまで、S&Pは1月の史上最高値から14%下落し、ナスダックは22%下落して弱気相場に入っている。

(翻訳・徳永木里子)