中共の軍機(Yuxuan1122, CC BY-SA 3.0 , via Wikimedia Commons)

 日本の自民党青年局の小倉将信局長(衆議院議員)率いる議員団は3日から7日、台湾を訪問している間、中国共産党(以下、中共)はY-8対潜哨戒機をはじめ複数の軍機を派遣し、3日連続で台湾南部と南東部の空域に侵入していた。学者たちは、「遼寧(空母)」航空戦闘群の共同訓練と関係があるのではないかと考えている。

 中華民国空軍は7日夜、中共軍機5機(Y-8対潜哨戒機1機、KJ-500早期警戒管制機、H-6爆撃機2機、Y-8情報収集機1機)が台湾南西部の防空識別圏(ADIZ)に侵入、そのうちY-8対潜哨戒機は3日連続で台湾南部と南東部の領空を侵入したと最新情報を発表した。前日も中共は18機の軍機を派遣させ、台湾の南西と南東の空域を侵入した。

 一方、防衛省統合幕僚監部は4日、沖縄周辺の海域を航行する中国海軍のクズネツォフ級空母「遼寧」が、艦載戦闘機の発着艦を行うのを海上自衛隊が確認したと発表した。3日正午ごろ、場所は沖縄県の沖大東島の南西約160kmの海域を、前出の空母「遼寧」とともに、ルーヤンIII級ミサイル駆逐艦3隻、ルーヤンII級ミサイル駆逐艦1隻、ジャンカイII級フリゲート1隻、フユ級高速戦闘支援艦1隻の計7隻が航行しているのを確認したとのこと。その後、正午ごろから午後6時ころにかけて、艦載戦闘機や艦載ヘリが空母「遼寧」に発着艦していたそうだ。

 中共軍機の台湾への侵入が、ちょうど日本の自民党青年局訪問団が3日から7日にかけて台湾を訪問していた期間中で、かなり敏感なタイミングである。

 台湾中央通訊社の報道によると、日本の鈴木憲和議員は、台湾を撹乱する中共軍機の規模と数は前代未聞であり、台湾は日本の重要な友好国であるため、台湾海峡の安定はアジア太平洋地域にとって特に重要であり、日本は我が事として処理し危機感を高めると述べたという。

 国防部(国防省)シンクタンク、国防安全研究院の蘇紫雲氏は、3月中に米英が再び台湾海峡の安全保障状況について話し合い、日本の岸田文雄首相も5日に再び台湾海峡の安定性の重要性に言及したため、中共が演習を通じて、台湾問題の「国際化」に対する不満を間接的に伝えているのだと述べた。

 国民党系シンクタンク国家政策基金会高級助理研究員揭仲氏は、空軍が発表したニュースによると、今回台湾を妨害した航空機の種類は完全な遠征戦闘編隊であり、おそらく遠征打撃群の運用練習をしており、遼寧空母戦闘群と連携して仮想の大型海上目標に異なる方向から挟み撃ちにした可能性は否定できないと指摘した。この仮想的な海上目標は、戦力保持のために遠洋を行う国軍海軍艦隊のほか、フィリピン海方面から接近する米艦隊に対してでもあり得るのである。

(翻訳・藍彧)