今年初め、中国江蘇省徐州市豊県董集村の「首に鎖をつながれた母親」事件が明かされ、話題となり、国民の怒りを呼び起こした。同女性は未だに救出されていないにもかかわらず、中国当局は人身売買の犯人に軽い刑期を与えるため、新しい法律を導入した。
中国共産党の最高人民法院(裁判所に相当)、最高人民検察院、公安部は4月24日、「女性や児童の誘拐・拉致や人身売買に関する容疑者の自首を促す通告」を発表した。同通告は、女性や児童を誘拐・拉致や売買した犯人が、今年6月30日までに自首した場合、刑罰は減刑または軽減されることがあり、より軽い犯罪については刑罰を免除されることがあると明らかにした。また、同通告で女性や児童の人身売買の犯罪を通報・告発し、逃亡中の容疑者を説得するよう、個人や団体に呼びかけている。
この件は、ネット上で激しい議論を巻き起こした。ネットユーザーからのコメントが殺到した。
「自首で罪が軽減されるなら、台無しにされた少女たちの一生は誰が償うのか?」
「軽減?女性や子供が受けた苦しみに誰が代償を払うのか?」
「自首すれば刑が軽くされるのか?これは、罪を犯しても、自首すれば刑罰が軽くできるって、世間に赤裸々(せきらら)に伝えているのじゃないか?」
「首に鎖つながれた母親の人身売買は、恩赦で無罪になったのか?」
女性の人身売買という犯罪が後を絶たない根本的な原因は、中国共産党政府がこのような犯罪行為を黙認し、ひいては協力し自ら関与さえしているからだと、多くの人が考えている。
(翻訳・徳永木里子)