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 私たちは睡眠に関する誤った情報をよく耳にしたことがあります。その影響が無きにしも非ず、正しくない睡眠のとり方をしていることもあるようです。しかし、不適切な睡眠は深刻な事態を招き、危険であると言えます。この記事では、一般的に誤解されている睡眠に関する10を紹介します。睡眠をよく理解し、健康的な習慣を身に付けましょう。

 誤解1:週末の寝だめは問題ない

 十分な睡眠が取れない日が続いた場合、睡眠の「負債」が生じてしまいます。多くの人は、週末により沢山の睡眠をとることで、平日の睡眠の負債が「返済」されると考えています。しかし、睡眠の負債を返済できないばかりでなく、体内時計が乱れてしまい、翌週はもっと疲れてしまう可能性があります。

 誤解2:いびきはぐっすり眠っている証

 アニメでは、ぐっすり眠っていることを誇張させようと、いびきをかく姿で表現しています。しかし、大きないびきは、睡眠中の呼吸停止の兆候です。

 誤解3:目覚ましが鳴った後、もう少し寝る

 目覚ましが鳴ったら起きましょう。もう少し寝たいと思っても二度寝しないようにしてください。この時点で再び眠りについたとしても、ごく軽くて低質な睡眠しか取れないからです。

 誤解4:それ以上でも以下でもない、8時間の睡眠を確保しなければならない

 アメリカ睡眠財団には「睡眠の推奨時間」があります。その中、成人初期(18〜25歳)および成人(26〜64歳)の場合、7〜9時間が推奨される最適な睡眠時間です。同時に、6〜10時間の睡眠が許容されます。

 また、寝過ぎは良くないのです。それは「ナルコレプシー(居眠り病)」に関係している可能性もあります。

 誤解5:就寝前の運動は睡眠に役立つ

 日中に一定量の運動を続けることは、確かに夜の睡眠に役立ちます。しかし、就寝前の4時間以内の運動、特に激しい運動は、体が興奮状態で寝つきが悪くなり、睡眠不足に陥り易くなります。

 誤解6:お酒はより良い睡眠をもたらす

 お酒には軽微な鎮静効果があり、眠りを誘います。お酒を飲むことで、ぐっすり眠ることができると誤信してしまわれがちです。

 アメリカの2013年のある報告書は、長年にわたりアルコールと睡眠に関する27件の研究を振り返りました。報告書によると、アルコールは睡眠中のレム睡眠(急速眼球運動睡眠)の時間を短縮してしまうことが判明されました。これは、人間の日中の状態において、眠気による集中力の低下、それに伴う日常の仕事での生産力の減少にもつながり、長期的な悪循環を及ぼすことが考えられます。

 さらに、アルコールは睡眠中の人の呼吸にも影響を与える可能性があります。これが、お酒を飲んだ後に寝るのも、大きないびきをかく理由になります。そして実際、アルコールの作用で睡眠の質は高くなりません。

 誤解7:ベッドでテレビを見るとリラックスできる

 ご存知のように、メラトニンは体が眠りにつくのを役に立ちます。研究によると、テレビなどの電子機器から放つブルーライトは、メラトニンの生成を遅らせ、それが眠りにつくのを妨げる原因になる可能性があることがわかっています。

 誤解8:夢を覚えることは良い睡眠のしるし

 研究によると、夢を思い出せる人は、夜に目を覚ます頻度が2倍高くなります。そして、眠っているときと起きているときに差がなく、音に対してより敏感になるそうです。

 誤解9:電車の中で簡単に眠りにつくのはよく眠れるから

 多くの人は電車や飛行機で簡単に眠りにつくことができます。しかし、それは睡眠の質が良いという意味ではありません。いつでもどこでも眠りにつくことができるというのは、十分な睡眠が取れていないことを示しています。それはマイクロスリープまたはミニスリープに陥っていることを意味します。

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 誤解10:脳と体は短眠に適応できる

 脳と体は適応的に睡眠を減らしてもうまく機能することができると主張されてきました。しかし専門家は、疲れた体が完全に回復するには、4つの異なる睡眠段階を経る必要があると示しています。その中で、深い睡眠の段階(N3、N4)は、ニューロンの生成、筋肉の修復、免疫系の回復にも重要な役割を果たします。これらの意見に基づいて考えた場合、短眠健康法は成立しなくなります。睡眠を減らすということは、体が深い睡眠段階に入るのを妨げてしまうのではないでしょうか。

 以上、睡眠に関する10の誤解を紹介しました。一つでも該当するところがあれば、ご自身の健康を考えて改善してみましょう。正しい睡眠法を早速今夜から実践してみませんか?

(翻訳・宴楽)