スリランカが中国共産党(以下、中共)の「一帯一路」プロジェクトに参加したことで、経済が完全に崩壊し、国民が8日に首都コロンボの街頭で抗議デモを行った。
複数のメディアの報道によると、スリランカは最近、独立以来最も深刻な経済危機に陥り、数カ月連続の停電に見舞われ、食料、燃料、医薬品が深刻に不足している。また、ハードカレンシーの不足も製造用原材料の輸入を阻害し、インフレを激化させ、3月にインフレ率が18.7%に急騰した。そのため、スリランカで数週間に及ぶ反政府デモ抗議が起きている。
スリランカの首都コロンボで8日、大規模なデモが発生した。首相支持者は、首相官邸と大統領府の執務室の外にある抗議者のテントを撤去しようとしたため、衝突が発生した。警察は高圧放水銃と催涙ガスでデモ隊を追い払い、政府支持者は棒を持って抗議者を攻撃した。少なくとも5人が死亡、189人が負傷、150人以上が治療のために病院に運ばれた。
警察によると、コロンボ郊外で与党国会議員アマラケアーティ・アスコーララが9日、反政府デモの参加者に囲まれた。彼は2人を射殺し、5人を銃傷させた後、弾丸を飲んで自殺したという。
国民の不満が沸いたため、スリランカのゴタバヤ・ラジャパクサ大統領はかつて、現職のマヒンダ首相に辞任を求めたことがあったという。
その後、9日、マヒンダ・ラジャパクサ首相が責任をとる形で辞任した。しかし、首相が辞任したあとも最大都市のコロンボなどでは、市民による抗議活動が続いており、地元メディアは政府の支持者とデモ隊が衝突するなどし、これまでに100人以上がけがをし、死者も出ていると伝えている。
スリランカのエネルギー会社ラウグフス(Laugfs)の会長、WKHウェガピティヤ氏は、マヒンダ氏が辞任しても、現在のスリランカの危機を解決することはできない。「我々は破産した国であり、銀行には信用枠を開くのに十分なドルを持っておらず、闇市場にも行けない」と述べた。
中共が推進する巨大経済圏構想「一帯一路」による資金ばらまき政策により、中共に借金した国が利益を得られなかったという見方が出ている。経済的実行性が欠けているため、これらの国々は大規模なインフラプロジェクトが完成した後、債務を返済するための収入を得ることができず、債務危機に陥った。
(翻訳・徳永木里子)