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 中国各地のロックダウン(都市封鎖)は、港の輸送コンテナの堆積や、工場の閉鎖など、世界のサプライチェーンに深刻な影響を及ぼしている。経済専門家は、結果として、米国のインフレがさらに高まると予測している。

 オックスフォード・エコノミクスの中国経済専門家トミー・ウー氏は研究報告の中で、「上海での長引く封鎖と、一部の省の高速道路への規制で、すでに中国の物流に深刻な混乱をきたしている。中央政府は現在、経済への影響を減らすことと感染抑制のバランスを取ろうとしているが、混乱は数週間続く可能性があり、5月までに影響を及ぼすだろう。工業生産と輸出が影響を受け、世界のサプライチェーンに大きな影響を与える可能性がある」と述べた。

 上海では都市封鎖が4週目に入り、航空輸送コンテナが大量に堆積するようになっている。海事リスク情報会社ウィンドワードが提供したデータによると、世界のコンテナ船の4分の1近くが中国の港の外で停滞しているという。

 数十万社の米国企業が中国のサプライヤーに依存しているが、これらのサプライヤーの業務は極度まで減速している。米国の商品の約20%、電子機器の約35%を中国から輸入している。サプライチェーンリスク管理会社インテロスのジェニファー・ヴィセグリーCEOは、「中国は、特にテクノロジー製造の面で、世界中の多くの国が依存する重要な(生産)拠点。そのため、上海と北京での封鎖は、半導体、電話、自動車、玩具などに影響を与える可能性がある」と述べた。

 半導体チップ不足により工場が減産に追い込まれ、全米で車が品薄になったため、過去1年間で米国の中古車・トラック価格は35%高騰した。全体として、米国の消費者物価は8.5%上昇し、過去40年間で最も高い上昇率となった。

 ジョージ・ワシントン大学のダイアナ・ファーチゴット・ロス教授(経済学)は、中国での供給危機が企業に値上げを強いる主な原因は4つあると述べた。1つ目は、季節商品や生鮮品の納期遅れによる損失。2つ目は、納期遅れによる収益低下。3つ目は、より大きな在庫の保持が必要。4つ目は、注文の未完了またはキャンセルによる損失。

(翻訳・徳永木里子)