米国際宗教自由委員会のプレスリリース現場(USCIRFのYouTube動画のスクリーンショット)

 米国際宗教自由委員会(USCIRF)は25日、2022年の年次報告書を発表し、中国を含む15カ国を、宗教の自由に対する組織的、継続的、かつ深刻な侵害を行う「特に懸念すべき国」として指定するよう米国政府に勧告した。

 USCIRFとは、世界各国の信教の自由を観察・評価し、米国政府に建言を提出する超党派の連邦政府機関である。

 当該報告書によると、中国共産党(以下、中共)政権は信教の自由を長期的に抑圧し、近年は信教に対する敵意を強めており、中国における信教の自由は悪化の一途をたどっている。

 中共政権は仏教、道教、キリスト教などを認めているが、宗教信仰団体が中共政権の統治を支持し、中共の思想と政策に適合するように教義を改変することを強要している。

 登録の有無にかかわらず、中共政権の指示に従わない宗教団体や個人は、嫌がらせ、拘留、逮捕、投獄などの迫害に遭った。

 当該報告書によると、昨年も法輪功学習者は中共政権から過酷な迫害を受け、892人が実刑判決を受け、少なくとも101人が迫害により死亡した。

 報告書は、米国政府に対して、「信教の自由に対する深刻な侵害を行う中共の幹部および団体、特に中共政権の統一戦線工作部(UFWD)、国家宗教局(SARA)、公安・国家保安機関および深刻な侵害が発生するところに対する金融・ビザに関する制裁を拡大すること」と提言した。

 USCIRFはまた、中共政権が宗教と信仰の自由に対する深刻な侵害に対して責任を負うよう、国際社会と協力し、中国全土の深刻な人権侵害を調査・記録する「国連調査委員会」の設立を提言した。

 USCIRFの副会長ヌリー・ターケル(Nury Turkel)氏は、中共政権は、中共の政策が社会の安定を図っていると常に主張しているが、中共の抑圧的な政策は事実上、社会の不安定さを増やしていると指摘し、中共政権の行為は国際社会からの非難を浴びているとも指摘した。

(翻訳・黎宜明)