(イメージ / Pixabay CC0 1.0)

 昨夜の遅い時間に、子供は電気を消すことを嫌がった。部屋が暗すぎて眠れないと言うのだ。

 仕方なく、子供をバルコニーに連れて行き、一緒に月を見た。電気を消しても月は明るく光っていることを教えたかったからだ。

 月は大きかったが、曇っていたせいで、雲を通した白い光しか見えなかった。この景色を見て少しがっかりした。月は雲に遮られているから見えない、と子供に説明した。

 大きく丸い月を見せると言ったのに、それを見せられなかったので子供にがっかりさせてしまったと思った。すると子供は「お月様は眠くなって、雲をかぶって寝ているんだね。」と私に笑って言った。そして自分もおとなしく部屋に戻り、布団をかぶって寝たのだ。

 子供たちはまるで童話を見るようにこの世界を見ており、何にでも生命が宿っていると思っているかのようだ。我々大人にとって、曇って月が見えないことが、子供にとっては、ただお月様がやわらかい雲をかぶって寝ていることになるのだ。

 この世界は、同じ景色であってもそれを見る角度により、至る結論や抱く感情も全く違うものになる。これが、同じ出来事に対して、怒る人もいれば気にしない人もいるかの理由なのだろう。

(文・青松/翻訳・謝 如初)