ロシアの同盟国セルビア共和国が9日、中国共産党から提供された防空システムを受け取った。西側諸国は、ウクライナ戦争中の軍備拡張がバルカン半島の弱小国を脅かし、地域の平和に影響を及ぼす可能性があると懸念している。
AP通信によると、メディアと軍事専門家は10日、中国空軍のY-20輸送機6機が9日にセルビアの首都・ベオグラードの民間空港に着陸し、セルビア軍にHQ-22地対空ミサイルシステムを運送したことを明かした。また、同空港では、軍用規格の中国の貨物機も撮影された。
専門家らによると、これらの輸送機が武器を輸送するために、少なくともトルコとブルガリアという2つの北大西洋条約機構(NATO)加盟国の領空を通過する必要があるという。「Y-20は、一連の個別の飛行ではなく、集団飛行しているため、注目を集めるだろう」
オンライン雑誌「ウォーゾーン」は、「Y-20がヨーロッパで現れたこと自体が珍しいことだ」と述べた。
セルビアのアレクサンダル・ヴチッチ大統領は、これは中国側が2019年予定の中距離ミサイルシステムを納入しているのだと明らかにした。ヴチッチ氏は9日に声明を発表し、12日と13日にセルビア軍の「最新の誇り」として同システムを公開するとしている。
セルビアは、ロシアのウクライナ侵攻を非難する国連決議に賛成したが、国際的な対露制裁への参加も、ロシア軍の侵攻を直接批判することも拒否している。
(翻訳・徳永木里子)