ロシアとウクライナの戦争により、米国、欧州諸国、オーストラリアなどによるロシアへの厳しい制裁が行われる中、ロシアは中国から戦略物資を購入し、このうち3月のアルミナ輸入量は急増した。
ロイター通信によると、中国税関総署が20日に発表したデータでは、中国のロシア向けアルミナ輸出量は今年3月に9,949トンに達し、前年同期の104.5トンから95倍に増加した。合計すると、中国のロシア向けアルミナ輸出は、第1四半期に12,955トンに増加した。
露・ウクライナ戦争勃発による西側諸国の制裁が広まり、ロシアの本来のアルミナサプライチェーンも切断された。米ウォール・ストリート・ジャーナルによると、3月20日、オーストラリア政府は対ロシア制裁を拡大し、ロシアへのアルミニウム鉱石とアルミナの輸出を即時禁止すると発表した。政府は、国内のアルミニウムおよびアルミナの輸出業者と協力して、新たな市場を見つけ、この禁止措置による悪影響を軽減する。
オーストラリア政府によると、アルミニウムは軍需産業の重要な原料であり、オーストラリアからのアルミナの輸入は、ロシアの国内シェアの約2割を占めているという。 ロシア国内のアルミニウム生産は、航空宇宙、機械、自動車、建設、包装などの産業で使用されている。
「USニューズ&ワールド・レポート」誌の報道では、業界アナリストのコメントを引用し、ロシアは西側諸国の制裁によるオーストラリアのアルミナ供給減を補うために、中国に目を向ける可能性があるという。しかし中国のアルミ製錬会社は不足分を補うために必要な原料を入手する必要があるが、米国や欧州諸国などからの制裁を懸念しているだろう。
オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)のアナリストのソニ・クマリ氏は、「ロシアは中国に助けを求めることができるが、国内の製錬所に原料を提供する必要があることを考慮すると、中国には十分な輸出余剰がない。また、西側の制裁を懸念するため、中国の輸出企業も慎重になるだろう」と述べた。
中国の税関のデータによると、中国は今年最初の2ヶ月間に7,967トンのアルミナを輸出し、そのうちロシアは698.6トンを輸入した。
(翻訳・藍彧)