国連総会は7日、国連人権理事会でのロシアの理事国資格を停止する決議案を日米欧など93カ国の賛成多数で採決した。中国は反対票を投じた。
7日の表決は、米国が提案し、国連総会にロシアの人権理事国資格を停止することを求めた。採決の結果、欧米や日本など合わせて93カ国が賛成し、ロシアのほか中国や北朝鮮など24カ国が反対、インドやブラジル、メキシコなど58カ国が棄権し、棄権と無投票を除いた国の3分の2以上の賛成で、決議が採択された。
反対票を投じた中国は、国連の動きを「性急な行動」「火に油を注ぐ」「危険な前例を作った」と非難した。他の反対票を投じた国にはイラン、カザフスタン、キューバなどが含まれる。ロシア、ベラルーシ、シリアは、米国の提案に強く反対した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は7日、自身のツイッターに「ロシアの国連人権理事会の理事国としての資格を停止するよう求めた決議が採択されたのは重要な一歩だ」と投稿し、今回の決定を歓迎した。
そのうえで「決議の採択は、ロシアによるウクライナへの侵略へのさらなる処罰となる。各国の結束に感謝する。ロシアに協調して圧力をかけ続け、平和を求めさせよう」として、各国に一層の協力を呼びかけた。
ウクライナのクレバ外相も、加盟国に感謝し、「人権擁護のための国連機関に戦犯の居場所はない」とツイートした。
2月24日以来、国連総会では3回にわたりロシアのウクライナ侵攻に関する投票が行われた。3月2日、ロシア軍の完全撤退などを要求する決議案が141カ国の賛成多数で採決された。同決議は歴史的なものと見なされている。ロシア、ベラルーシ、シリア、北朝鮮、エリトリアの5カ国だけが反対し、中国は棄権した。
(翻訳・徳永木里子)