国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は6日、中国共産党当局に対し、流行への対応・予防すると同時に、一般受診やその他の基本的人権を尊重するよう呼び掛ける声明を発表した。
HRWは声明の中で、上海当局が3月末以降から実施した厳しいロックダウン(都市封鎖)という防疫措置が、市民の医療、食料、その他の生活必需品の獲得を大きく妨げていると指摘した。数不詳の市民は、新型コロナウイルス(武漢肺炎、COVID-19)感染症と関係のない病気で病院の受診を拒否されて死亡した。過酷な「ゼロコロナ」政策のもと、感染者は仮設病院や集中隔離センターで隔離を強制され、陽性反応を示した一部の乳幼児なども親から強制的に引き離されている。
声明は、中国も国連の「児童の権利に関する条約」に署名していることを強調した。司法審査を受ける権限のある当局が法律と手続きに従って、児童の最善の利益のために必要であると決定しない限り、児童が父母の意思に反して親から引き離されることはできない。
また、国連の公民の権利及び政治権利の国際公約の要求では、公衆の健康や公の緊急事態で実施する制限は、合法性と証拠に基づく必要性の基準を満さなければならない。コロナ感染者の隔離は、恣意的または差別的に実施されてはならず、期限付きでなければならず、人の尊厳を尊重するものでなければならない。
(翻訳・徳永木里子)