中国共産党(以下、中共)の公式メディア「人民日報」は3月29日、「大翻訳運動」を批判する記事を掲載した。しかし、コメント欄では中国のネットユーザーが同記事を嘲笑し、「大翻訳運動」を支持する声が殺到した。
「闇で行う『大翻訳運動』は中国に泥を塗れず」と題する記事では、同運動が「中国に泥を塗る世論戦で、ロシア・ウクライナ紛争の熱に乗じており、新しいトリックを使っている」と指摘した。
同記事のコメント欄に、ネットユーザーからのコメントが殺到した。
「翻訳を見た。泥を塗っていない。事実のままに忠実に翻訳している。捏造だと言われることを避けるために、中国語のスクリーンショットも付けている」
「コメント欄を検閲できるのに、他人に原文のままに翻訳されることを恐れるのか?」
「 公式メディアがこれほど激怒しているのは、本当に焦ったようだ」
「大翻訳運動」のツイッターアカウントの紹介によると、同運動は「世界に散居する2000年以降生まれた中国人によって構成されている」という。今年3月から、中国の「ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)」の言論や、中共の公式メディアの報道を英語、フランス語、ドイツ語、日本語、韓国語、アラビア語に翻訳し、「中国人の言動を多面的、深層的、根拠的に世界に伝えている」としている。
中共の公式メディアからの批判に対し、「大翻訳運動」も即時に反論し、中共の公式メディアが「外国のネガティブなニュースやロシアの偽ニュースを意図的に選別・翻訳し、中国の読者に侵略戦争の軍国主義思想を植え付け、ひいては中国国内の平和主義者など良心のある人々の声まで扼殺している」と非難する記事をツイートした。
また、「外国語を学ぶのは外国を知るためだと思っていたが、今では外国語を知ることが中国を見極める唯一の方法であることに気づいた。海外にいるが、祖国が自由、民主主義、立憲主義に向かって進むことを深く願っている。そここそ、我々が当時飛び立った所だった。愛していなければ、なぜ気にする必要があるのか?」と付け加えた。
(翻訳・徳永木里子)