ドイツ最大の発行部数を誇る「ビルト」紙が27日、ロシアのウクライナ侵攻の戦況をロシア語に翻訳して同社のウェブサイトに掲載したため、ロシア当局にブロックされた。これに対して、「ビルト」はロシア国民に戦争の事実をより継続して多く提供することを励まされるだけだと述べた。
中央通訊社(CNA)によると、ロシアのウクライナ侵攻の事実をロシア国民に伝えるため、「ビルト」はこのほど、戦争に関するニュースをロシア語に翻訳してウェブサイトに掲載し、関連する動画報道もロシア語の字幕を付けているとのこと。また、ロシア人に人気のSNS「Telegram(テレグラム)」に同紙の専用チャンネルもあり、ロシア語で記事を投稿している。
米CNNは27日、「連邦通信・情報技術・マスコミ分野監督庁」の命令により、ドイツ「ビルト」のウェブサイトがすでにロシアにブロックされたと報じた。
これに対し、「ビルト」の出版元であるアクセル・シュプリンガー社のマティアス・デプフナー最高経営責任者(CEO)は、独立報道は独裁者を不快にさせる真実を示し、ロシア当局は同紙が掲載したロシア語のニュースがロシア政府に危険を及ぼしたため、禁止したと明らかにした。
同紙のヨハネス・ボワ編集長は、ロシアの封鎖行為は、同紙が民主主義、自由、人権のために活動していることの証であり、「政府のプロパガンダとは異なるニュースや真実をロシア国民に届けるために、さまざまなルートを引き続き使うことを励まされている」と述べた。
ロシア時事評論家のニコルスキー氏は、ロシア当局は自国民にウクライナで起きていることの真実を知らせようとせず、公式プロパガンダのみを信じさせようとしているが、情報が迅速に伝播する現代において、ロシア当局が真実を隠すことは難しいだろうと述べた。
(翻訳・徳永木里子)