マルコ・ルビオ米上院議員(共和党、フロリダ州選出)は29日、複数の米企業がこれまで「ウイグル人強制労働防止法」の弱体化を試みてきたことを明らかにし、米国が政府の力だけで中国共産党(以下、中共)に対抗することはできず、社会全体の参加が必要だと述べた。
米議会は昨年、中国新疆ウイグル自治区からの製品輸入を禁止する「ウイグル人強制労働防止法」を可決した。同法はまた、すべての新疆産品が強制労働に由来するものであると仮定する「反証を許す推定」制度を設け、関連企業がその製品が強制労働に関与していないことを証明できない限り、「1930年関税法」に基づいて輸入を禁止する。
しかし、ニューヨーク・タイムズ によると、ナイキやコカ・コーラなどの米国の大手企業は、自社の中国でのサプライチェーンを破壊する可能性があると主張し、同法の規定の一部を弱めようとし、議会に大金を投じてロビー活動を行っていたという。
ルビオ氏は29日、米保守系シンクタンクであるヘリテージ財団での講演で、米国が現在、直面している最も深刻な脅威は中共であり、ワシントンが必要な抑制対策を打ち出すだけでなく、社会全体の対応も必要であると述べた。
同氏は、中共が米国にもたらす脅威は前例のないものであり、中共に対抗するために、米国は政府だけでなく社会全体を動員しなければならないと指摘した。保守派やリベラル派だけでなく、テスラやアマゾンなどの大企業も同様にこのことを理解する必要がある。
米国防総省が3月28日に議会に提出した「2022年国家防衛戦略(NDS)」も、中共は米国の最も重要な「戦略的ライバル」であり、「一歩一歩迫る挑戦」でもあると言及した。
ルビオ氏はまた、米国は中共のような敵対国への依存度を下げなければ、安全保障上の重大なリスクに直面することになると強調した。「米国の産業能力を再活性化する必要がある。敵対政権に依存する国は長続きしない。産業強国でなければ、強国ではない。生産製造能力を持っていなければならない」と述べた。
(翻訳・徳永木里子)