米国防総省は戦況のブリーフィングで、ウクライナを侵攻してから1ヶ月経ったが、ロシア軍は依然として制空権を獲得しておらず、優勢を占めていないと述べた。
台湾国防產業発展協会理事、台湾シンクタンク執行委員の羅正方氏は22日、ロシア軍が中々制空権を獲得できない原因や、宇宙と情報ネットワークが現代戦争の勝利の鍵になるとの見解を、フェイスブックに投稿した。
ロシア軍はウクライナの重要な地上防空レーダーを多数破壊したと主張しているが、ロシア軍機も撃墜され続けており、ロシア軍機が効果的に監視・ロックされていることが明らかになったと、羅正方氏が分析した。これは、米国と北大西洋条約機構(NATO)の同盟国が周辺でウクライナの空中目標の監視に協力し、米軍の強力な宇宙戦力も情報の捜査を助けていることを示している。
羅正方氏は、米宇宙軍が、通信からリモートセンシングまで様々な軍事衛星、さらには衛星に搭載されたレーダーを含め、天候の影響を受けず日夜使用できるアクティブ偵察システムを使って、米国とNATOの各種の高空偵察機を補佐していると指摘した。米国とNATOは戦争に直接介入しないと主張しているが、ロシア軍の飛行機やミサイルの軌道をウクライナに即時通報すれば、ウクライナ軍は既存の地上型防空システムで迎撃することができる。
同氏はまた、次のように述べた。今回のロシア軍は最新鋭の誘導兵器を使ったことで明らかな戦果を収めることができなかった。かつて無敵と言われたロシア軍は、開戦後、衛星システムによる精密なナビゲーションに依存した多くの兵器が故障したり、標的を外れて爆撃したりすることが多かったことが分かった。これはロシアのナビゲーション測位衛星システムが干渉防止の面でかなり脆弱であることを示している。ウクライナの背後には米軍とNATO諸国の暗黙の協力があるに違いない。そのため、電子戦対抗では奇抜な優秀さを示している。ロシア軍の空中から地上までの様々な捜索レーダーを効果的に制圧し、同時に宇宙と情報ネットワークの優位性を利用して、ロシア軍の兵力分布をタイムリーに把握し、ロシア軍の各部隊の間で必要な通信連結を失わせることに成功したため、ロシア軍は散らばった砂のようになり、各部隊は次々と撃破された。
同氏は最後に、露・ウクライナ戦争が台湾に大きなヒントを与えたと考えている。台湾と日米同盟国の戦況偵察システムの面でシームレスな繋がり、および関連スタッフの統合訓練が、台湾における戦争で生き残るためのカギになるのだ。
(翻訳・徳永木里子)