中国国務院は22日、今年の「中央委員会第1号文書」を発表し、主に三農(農村、農業、農民)問題を取り上げ、「国家の食糧安全保障」と「大規模な貧困への回帰なし」というエンドラインをしっかりと守る必要性を改めて強調した。
同文書では、中国人のご飯茶碗は常に自分たちの手にしっかりと握られていなければならず、ご飯茶碗に主に中国産の食品を入れ、穀物の播種面積を安定させ、生産量を6500億キロ以上に維持することを確保しなければならないと書かれた。
今月初め、中国の李克強首相はすでに第20回党大会を守るために、農業生産の支援を強化し、中国の食糧安全保障を確保するよう指示を出した。
米国在住の経済学者、何清漣氏は2020年8月、中国に長年の食糧不足の問題があると文章で指摘した。中国の穀物自給率は約82.3%で、穀物ギャップは17.7%。中国は、国際連合食糧農業機関(FAO)の食料安全保障基準である自給率90%を満たしていないという。
食糧危機が迫り、汚職事件が多発
2021年2月22日、唐仁健(とうじんけん)農業部長は記者会見で、中国の食糧需給は余裕がなく、常に厳しいバランスを維持していると述べた。また、食料安全保障の問題を一瞬たりとも軽んじてはいけない、食料安全保障に問題があってはいけないと強調した。
2020年8月17日、中国社会科学院農村発展研究所が発表した報告書によると、中国は2025年までに約1.3億トンの穀物不足に陥り、そのうち穀物(三大主食)の不足量は約2500万トンに達する可能性がある。そのため、習近平総書記は近年、食糧安全保障の確保について繰り返し警告を発している。
中国の食糧安全保障の問題は深刻であるにもかかわらず、食糧部門でしばしば汚職の幹部が捕まっている。
中国共産党の公式メディア「中国新聞網」22日の報道によると、内モンゴル自治区、四川省、遼寧省、陝西省、山西省、広東省、浙江省など各地の食糧部門で反腐敗の嵐が巻き起こり、浙江省の食糧部門だけで27人が捕まった。これらの人たちは皆、食糧部門に長く勤めており、中には30年以上勤めている人もいたという。
「北京之春」誌の編集長である陳維健氏は、新唐人テレビ局に対して、食糧部門の幹部が多く逮捕されたことは、中国の食糧問題がますます深刻になっていることを示していると述べた。
(翻訳・徳永木里子)