Nils van der Poel選手(Frankie Fouganthin, CC BY-SA 4.0 , via Wikimedia Commons)

 中国共産党政権による新疆、香港、チベットでの人権犯罪や、中国の法輪功学習者に対する生体臓器摘出が非難されている中で、北京冬季五輪が開催された。その閉幕とともに、これまで中国共産党の報復を恐れてコメントを控えていたアスリートたちが、声を上げ始めている。

 北京五輪で2つの金メダルを獲得した、スピードスケートのニルス・ファンデルプール選手は帰国後、スポーツ紙「Sport Bladet(スポーツブラデット)」のインタビューで、2022年冬季五輪が人権問題のある中国で開催されたことを残念に思うと述べた。

 コックスレスボブスレーのナタリー・ガイゼンベルガー選手は北京五輪で6つの金メダルを獲得した。大会期間中は人権問題へのコメントを控えたが、帰国後、二度と中国に行かないことを表明した。

 2014年のソチ冬季五輪と2018年の平昌(ピョンチャン)冬季五輪にアメリカ代表として出場した元クロスカントリースキー選手のノア・ホフマン氏は、オリンピック委員会(IOC)は2014年と2022年の冬季五輪の開催国に関して、絶対間違った選択だったと述べた。

 「1年後、4年後、10年後にこの大会を振り返ったとき、どの選手が2つの金メダルを獲得したかは覚えていないだろう。しかし、2回の大会は、ロシアと中国の2つの独裁政権を支援していたことだけは記憶に残るだろう」と、同氏は述べた。

(翻訳・徳永木里子)