マイク・ポンペオ前米国務長官(Office of the President-elect, CC BY 4.0 , via Wikimedia Commons

 マイク・ポンペオ前米国務長官夫妻が、3月2日から5日まで台湾を訪問する予定。

 ポンペオ氏は昨年の退任後、台湾訪問が噂されている。中華民国外交部は21日、同氏が3月2日に台湾を訪問することを発表した。訪問中、蔡英文総統と会談する予定。また、3月4日に台湾のシンクタンク、遠景基金会(The Prospect Foundation)の招待で講演を行うほか、台湾の政財界や学術界と交流し、米台間の緊密かつ友好的な関係を強化する。

 ポンペオ氏に同行するのは、元米国務省中国政策企画首席顧問の余茂春(マイルズ・ユ)氏である。中国系アメリカ人の余氏は、米中関係で最も影響力のある顧問とされ、ドナルド・トランプ前米大統領の対中政策における重要な戦略家とされている。そのため、余氏の同行は今回の訪台のもう一つの目玉である。 

 台湾経済学者呉嘉隆氏は「ポンペオ氏が世界における米国の役割に大きく貢献したと述べた。つまり、誰が第一の脅威で、誰が第二の脅威であることをはっきりさせたことである」と述べた。

 同氏によると、ポンペオ氏は、地政学的な脅威だけでなく、人権や普遍的価値に対する脅威という点で、中国共産党がグローバル的な脅威を持つことを強調している。任期中、米国家安全保障戦略をかつての「ソ連に対抗し、中国と連合する」から現在の「中国に対抗し、ロシアと連合する」に変更した。さらに、民主国家と団結して中国共産党を包囲し、不正貿易と国際条約不履行に立ち向かうという米国の戦略を展開した。 

 ポンペオ氏が「中国共産党イコール中国ではない」という概念を広めるのに、台湾訪問が最も適しており、中国との対立よりも中国共産党への抵抗に焦点を当てるだろうと、呉氏は述べた。なぜなら、台湾は地政学的な重要性だけでなく、普遍的な価値観という点で、世界中の中国人にとって海洋の砦のような存在だからという。

(翻訳・徳永木里子)