時が経つのは早いものです。全米の誰もが誇らしく思う事が起きてから9年以上が経ちました。それは、オハイオ州で開催された第3地区高校陸上競技大会で、17歳の女子高生陸上部員メーガン・ヴォーゲル(Meghan Vogel)選手の出来事です。
2012年6月2日、オハイオ州第3地区高校陸上競技大会にウェスト・リバティ・サレム(West Liberty-Salem)高校から出場したメーガン・ヴォーゲル選手は、1,600メートル走で優勝したものの、次の3,200メートル走で体力が不足、最高の運動能力を維持することができず、終始遅れをとっていました。ゴールまであと30mのところで、ヴォーゲル選手は前を走っている選手が倒れるのを見て、手を差し伸べて残りの30mを2人でゴールインしました。
その倒れた選手は、アーリントン(Arlington)高校の16歳のアーデン・マクマス(Arden McMath)です。その時ヴォーゲル選手は右手をマクマス選手の腰に当て、マクマス選手の左手を自分の首に回しましたが、マクマス選手は今にも倒れそうでした。
米メディアWOSNの動画によると、二人そろって最終ラインに着くと、ヴォーゲル選手はマクマス選手の左手を自分の首から戻し、彼女を白線の向こうに押しやった後、自分も白線を越えました。この結果、マクマス選手は14位、ヴォーゲル選手は最下位の15位になりました。
観客は絶叫し、拍手を送り続け、ヴォーゲル選手の行為に尊敬と賞賛の念を示しました。
FOXの取材で、マクマス選手を助けたことについて、ヴォーゲル選手は「ただ自分のすべきことをしただけで、他の誰でも同じようにしたと思う」と語りました。
マクマス選手が最も感動したのは、ヴォーゲル選手がゴール地点で自分を最後尾に残したことだったのです。「誰もがそんなことをするとは思わない。彼女は私の後ろに来て、自分より私を前に押し出してくれました。」と述べました。
この話はアメリカのメディアで話題になり、ヴォーゲル選手は一躍、国民のヒーローとなりました。
ウェスト・リバティ・セーラム高校で陸上競技のコーチを務めるヴォーゲル選手の母親は、取材に応じ、娘の行動をとても誇らしく思っていました。「ルール上、ヴォーゲルもマクマスも失格になるはずなのに、主催者はそのように発表しなかった」と言いました。
なぜなら、主催者側も目の前の光景に深い感動を覚えたからです!
如何なる状況でも自らを差し置いて他人を優先する思いやりや優しさは、神が人間を創造した時、人間の魂の奥底に置かれた善の種です。人間は神が与えられた行動の規制に適合するとき、種は発芽し、良心のもとで育つのです。善い考えや善い行いは心に響く、その影響力は非常に大きいのです。
ヴォーゲル選手のした事は、人々の心に感動を与え涙を誘う勇気のある行動でした。試合後には多くの人がヴォーゲル選手と彼女の母親を抱きしめました。
競技中に倒れてしまったライバルを肩車でゴールまで運ぶMeghan Vogel pic.twitter.com/eThdoq7AhM
— 廣瀬##EI (@hiro111ei) May 21, 2014
(翻訳・玉竹)