エストニア対外情報機関は17日、年次報告書「国際安全保障とエストニア2022」を発表した。中国共産党(以下、中共)当局が外交・安全保障政策を達成するために、「強硬で不正に政治化されたワクチン外交」を「脅迫手段」として利用したことを非難した。
複数のメディアによると、17日に発表された年次報告書の大部分はロシアに関するものだが、中共によって政治化された新型コロナウイルス(中共ウイルス、SARS-CoV-2)のワクチン外交、批判者への的確な反応、コロナ流行時の中ロ関係を含む3つの章もある。
報告書は、中共当局が外交・安全保障政策を達成するための「圧力の手段」として「強硬で不適切かつ政治化されたワクチン外交」を使用したと非難した。
報告書には「我々の評価では、2021年中の中国の行動は、強引かつ陰険な政治化されたワクチン外交を使い、西側の立場を弱体化させたいという願望を裏付けるものである」と書かれている。また、中共はエストニア国民の個人メールアドレスを収集し、中共の批判者に対して脅迫行為を行っている。
さらに、中共の「戦狼」イメージが反感を買ったため、中共は全面的な批判を避け始め、代わりに個別の反論で非難に応じるようになったと指摘している。「現在、批判に応える際、中共側は回答で具体的な人物や名前を明確に出している。このような個別化された応答は、批判者を黙らせ、中国の怒りがすべての外国人に対してではなく、特定の個人やグループによって引き起こされたことを示すことができる」
これはエストニアと中共の初対決ではないという。これまで、エストニアは新疆ウイグル自治区やチベット、香港などにおける中共の人権問題に注目している。
(翻訳・徳永木里子)