不動産バブルの崩壊に伴い、中国各地で価格が下落し始め、深セン市での中古物件の価格は3割も下落した。住宅の大幅な値下げ現象は、東北部の黒竜江省鶴岡市(かくこうし)から裕福な長江デルタや珠江デルタへと広がっている。
物件価格の大幅な値下げが富裕地域に蔓延
恒大の危機はドミノ倒し現象を引き起こし、中国の複数の大手不動産企業が相次いでデフォルトリスクに陥り、多数の中小不動産会社がその打撃に耐えられずに破綻した。不動産業の危機は深刻になっている。
市場の信頼が損なわれた状況下で、物件の成約は激減し、価格も急落している。不動産市場の大幅な値下げは、鶴岡市から他の都市に移り始め、多くの3級、4級都市の中古住宅の価格も徐々に下がり、鶴岡市の住宅と同じ価格にまで安くなっている。長江デルタや珠江デルタの複数の都市も、価格下落を免れなかった。これは、中国の不動産市場の段階的な崩壊が、すでに最も富裕な地域で起きていることを意味する。
広東省深セン市の中古物件も楽観視できない。中国の金融メディア「財聯社」14日の報道によると、複数の不動産企業のデータから、深センの中古物件の取引価格が低下し、一部の人気地区の取引平均価格は20~30%低下し、3割の値引きに相当するという。
価格の下落に伴い、成約数も減少している。深セン市の不動産情報プラットフォームによると、昨年に深セン市で販売された中古住宅は合計40,699戸で、前年比57.3%減、過去15年間で最低を記録したとのこと。
中国の不動産市場はバブル崩壊中
ラジオ・フリー・アジア(RFA)の報道によると、金融学者の司令氏は、3級・4級都市の不動産市場は中央政府の政策の推進によって繁栄してきたことが多いが、中国共産党の「不動産の投資・投機抑制」などの厳しい政策の導入で、これらの都市の地域優位性が明らかになくなっていることから、不動産開発業者はこうした資源の乏しい地域から徐々に撤退していると述べた。また、鶴岡市の低価格が他の3級・4級都市に広がったことは、中国の不動産市場がバブル崩壊中にあることを反映している。
河南省鄭州市在住で不動産市場に詳しい鄭さん(女性)によると、工場移転による人口流出のほか、コロナの流行や分譲住宅の無秩序な開発で不動産不況を招き、住宅の供給が過剰になったという。
(翻訳・徳永木里子)