「8児の母親」事件は、ネットユーザーの掘り下げにより注目度がまだ下がらない。近日、習近平氏の妻、彭麗媛氏がこの事件を知って激怒し、自分の国際的評価に大きな影響を与えたとして、徹底した調査を要求したという噂が流れた。
「郭悳鋼」というツイッターアカウントが15日に同情報を発信した。彭麗媛氏が2021年ユネスコ女子教育賞の授賞式に出席する動画も同時にリツイートし、同事件を解決しなければ、今後、彭氏が関連国際イベントに出席する顔がないことを示唆した。
同日、北京大学法学部の卒業生で六四運動に参加し、その後カナダに亡命した李一平氏もツイッターで、北京の情報筋によると、中国共産党高層は「8児の母親」事件のために、特別会議を開いたと明かした。彭麗媛氏は徹底的に調査する決意を示したとのこと。今回の事件で彭麗媛氏の顔が傷ついたからだ。しかし一方で、真実を暴露すれば中国共産党のイメージが悪くなることから、インターネットの言論を黙殺して世論が静まるのを待つべきという、反対派の意見がある。
中国共産党が常に秘密裏に動いており、この情報の真偽を確かめる術はないが、「8児の母親」事件が長い間、海外のメディアで取り上げられていたことを考えると、彭氏の考えも合理的であると思われる。
共産党高層がどう動くかはわからないが、ひとつだけ確かなことは、今回の事件は社会のあらゆる階層に及んでおり、その影響の広さは実に稀である。中国当局がこのまま放置することは容易でないだろう。
最近、北京大学の学生100人が事件の徹底的な調査を求める署名活動を行い、それに続いて人民大学、浙江大学も署名活動を行ったという。また、一部の民間人は、「8児の母親」を助けるべく、団体で豊県を訪れた。事件を広めるために、横断幕の掲示やインターネットへの写真投稿、退役軍人たちが連帯して動画を投稿するなど、市民の関心が依然として高い。
少し前に、新華社通信の韓松主任も関連する記事を投稿した。最近では中国ドットコムのプロデューサー兼ディレクターである王聖強も声を上げた。また、この事件をきっかけに、中国の法曹界では関連する犯罪の刑期をめぐり議論が展開されている。
中国のアーティストたちも「Break the Chain」というアートアクションを立ち上げ、数百人のアーティストたちが「鎖につながれた女性」をはじめ、中国の女性の状況、中国の政治体制について声を上げた。
元公安の董広平氏はエポックタイムズの取材に対し、中国における人身売買と女性の扱い問題は何十年も前から存在しており、これだけ悲惨な事件が明るみに出ると、すべての責任は中国共産党に向けられ、多くの人を黙らせたとしても、権威主義体制自体の汚名を晴らせないだろう、と語った。
(翻訳・北条)