中国江蘇省の90後(90年代生まれの世代)の若者はこのほど、昨年6月に広西チワン族自治区で働く予定だったが、カンボジアに拉致され、血液を売るように強要され、最近脱出するまで45日ごとに点滴3袋分の血液を抜かれていたと明らかにした。彼によると、同様に拉致された人が少なくとも7人いるという。
複数のメディアによると、カンボジアの「中カンボジア第一病院」は14日に発表した中国籍の男性を救助する記事が注目を集めた。江蘇省出身の90後の若い男性、李亜明さん(仮名)はこのほど、病院に運ばれた際、重度の虚血のため、全身が極度にむくんでいた。下肢は知覚を失い、ふくらはぎは石のように硬く、体の針穴は衝撃的なほど密集していた。
李さんによると、孤児院で育ったので、家族がいない。昨年6月に広西省で働くことを紹介されたが、到着後に詐欺に遭ったことを知り、銃を持っている人にカンボジアまで拉致されたという。その後、ネット詐欺グループへの加入を拒否したため、転売や虐待を繰り返された。
李さんは孤児であったため、「身代金」を出してくれる者がおらず、「血の奴隷」にまで貶められてしまったのである。李さんはここ半年近くの間に、45日ごとに点滴3袋分の血液を採られ、計7回に及んだ。
「毎回1人1部屋で採血されていて、採血されたのは7人いたと知っていた。1回採血される人もいれば、数回採られた人もいた。まず大きなガラスの注射器で血を抜き、それをガラス瓶に注入した。毎回、生命を維持できるくらいまで血液を採られていた。最後に手首から血が採れなくなった時、頭を必死に押さえつけられて、注射器を首に刺され、1本の血液を採られた」
責任者から職員まで全部中国人!
李さんは、この「悪夢」を語る際、詐欺グループが「責任者から職員まで、全員中国人だった!」と言及した。
「ネット投資会社の責任者と職員の収入が高く、会社の利益と深く結びついており、売り込まれているものは『人』ではなく、単なる商品、金儲けの道具に過ぎない。一部の会社の責任者、職員が酔っ払うと、自分らをおもちゃにし、理由もなく電気バットで衝撃を与えた。それで、体が不自由になった人もいた」
李さんは最近、命がけで詐欺グループから逃げ出した。無一文の彼は親切な人に西港のある病院の前に送られた。その後、ネットから旅行社に連絡し、金辺に行き、空港近くの小さなホテルに身を隠し、中カンボジアのボランティアチームと地元のメディアに助けを求めた。
血液や臓器が売られる人はあと何人いるのだろう?
なお、この悪質な事件は、今回は初めてではない。昨年11月14日にミャンマーで同様の恐ろしい社会事件が発生していた。
ミャンマー警察によると、中国安徽省出身の24人がミャンマーを経由してタイに密入国し、「人の血液売買」ビジネスを展開していたという。働くという名目で中国の若者をミャンマーに誘い込み、強制的に「監禁」して売買のための血を抜き、少なくとも5人が生きたまま血を抜かれて死亡しているという。
環球博訊によると、血液の売買はオンライン投資会社の違法取引の一部に過ぎず、その多くのオンライン投資会社は人体の臓器売買という違法取引も隠して行っているという。ネット投資会社が、従順でない社員の臓器を売っていると多くのネットユーザーが暴露したことがある。このようなことは初めてではない。
ネット投資会社から脱出した職員が2020年初めに、「完全な人体骨格の相場は2000米ドル(約23万円)、1個の腎臓単価は2万~5万ドル(約230~580万円)、心臓は10万ドル(約1156万円)、肝臓は2万ドル(約230万円)、肺は5万ドル(約580万円)、人体脂肪は1キロ当たり20ドル(約2300円)、角膜は5000ドル(約58万円)など」と暴露した。この情報提供者は、これは当時聞いた価格で、時が経つにつれて、今では闇臓器の価格がもっと高くなっているかもしれないと述べた。
(翻訳・藍彧)