パトリック・プヤネCEO(Jérémy Barande / Ecole polytechnique Université Paris-Saclay, CC BY-SA 2.0, via Wikimedia Commons)

 消費者は数年にもわたる高エネルギー価格に備える必要があると、複数の石油・天然ガス会社の最高経営責任者(CEO)は述べた。

 新型コロナウイルス(中共ウイルス、SARS-CoV-2)の規制緩和、及び新エネルギーへの投資の減少により、世界経済が急速に回復する中、石油と天然ガスの価格はここ数カ月で高騰している。

 フランスの石油大手トタルエナジーズのパトリック・プヤネCEOはRTLラジオに対し、「伝えるべき良いニュースはない、石油価格は高止まりするだろう」と述べた。

 欧州の天然ガス価格は3倍上昇

 欧州のガス価格は、季節的に在庫が少ないため、昨年末に過去最高を記録し、過去1年間で3倍超に値上がりしている。

 英石油大手BPのバーナード・ルーニーCEOは8日、ロイターに対し、「われわれに予想できるのは、向こう数カ月、数年にわたる不安定な値動きだ」とし、石油市場は今年、供給が一段と引き締まり、1バレル当たり90ドル超で推移している価格をさらに支えると予想した。これは2014年以来の最高水準である。

 ノルウェーの石油・ガス大手エクイノールのアンダース・オペダルCEOは9日、ロシアのガスプロム社に次ぐ記録的な四半期利益を発表した。エクイノールは今年の同社の石油・天然ガス生産を前年比2%増と想定。BPの今年の生産は前年比横ばいと予想されている。

 オペダルCEOは、通常より低い在庫量を補充する必要があるため、今年も欧州のガス市場は緊迫し、需要は堅調に推移すると予想。「当社はこの先、天然ガス市場の需給が引き締まると見込んでおり、電力価格が不安定に変動すると予想している」と述べた。

(翻訳・徳永木里子)