(USCC動画のスクリーンショット)

 今秋に開催される予定の第20回党大会で、習近平総書記が再任できるかどうか、および政治情勢の変化が中国共産党(以下、中共)政権にどのような影響を与えるかが、注目されている。

 米議会の超党派で構成される米中経済・安全保障調査委員会(USCC)は、1月27日に開催した「中共の意思決定と第20回党大会」をテーマとした公聴会で、中共の最高指導者の選出は党内の政治闘争の結果であり、習近平氏が前例のない強権を行ったため、他の者が彼の指導者の座に脅威を与えることは困難だと指摘した。第20回党大会で習氏が権力を手放さざるを得ない唯一の前提は、習氏の盟友でさえ彼の強権が中共政権の存続を脅かしていると見なした場合である。 専門家は経済不況や台湾侵攻の失敗などを例として挙げた。

 専門家は、習氏が権力を譲るという強い圧力を受けていない限り、第20回党大会で明確な後継者を指名しないだろうと考えてる。つまり、彼は政治局常務委員に後継者候補を抜擢しないか、あるいは複数の後継者候補を抜擢する可能性がある。

 専門家らはまた、第20回党大会後に現在の7人の常務委員が取り得る方向性についても議論した。

 政治リスクコンサルティング会社「ユーラシア・グループ」の中国政治・外交政策担当アナリスト、ニール・トーマス(牛犇)氏によれば、習氏は必要な場合を除いて、政治的資本を費やして党の古い慣例「七上八下(67歳以下は留任し、68歳以上は退任)」を破ることはないだろう。習自身はこの慣例に制限されないが、68歳に達した他の中共幹部はすべて退任することになるだろう。

 そのため、全国人民代表大会(全人代)常務委員会委員長・栗(りつ)戦書氏(71)、国務院副首相・韓正氏(67)は、ともに第20回党大会後に年齢のため退任するだろうと、トーマス氏は予想している。李克強氏は2023年3月に国務院首相を退任するが、常務委員会の上限年齢には達していない。しかし、李氏が常務委員会に留任する場合、政治的等級は下がらざるを得ないため、李氏の完全引退の可能性が高いだろう。

 常務委員のうち、王滬(こ)寧氏(66)は現在の常務委員、中央書記処書記、中央精神文明建設指導委員会主任を留任し、汪洋主席も中国人民政治協商会議(政協)に留任し、首相に就任する可能性が高いだろう。

(翻訳・徳永木里子)