北京冬季五輪の開催を控え、中国共産党(以下、中共)の公式メディアが、五輪期間中にトラブルやネガティブな競技をするようアスリートを利益で誘惑しようとする「米国の陰謀」を宣伝した。これに対し、米国の在中国大使館は、中共が自身の人権問題から注目をそらそうとしていると反論した。

 中共公式メディア「チャイナデイリー」は28日、ウェイボー(微博、Weibo)で掲載した記事で、米国はこのほど、北京五輪を妨害しようとする計画をしている、と情報筋が指摘した内容を引用して報じた。記事の中で、米国は各国のアスリートに対中の不満を表明させ、ネガティブに競技し、ひいては不参加を扇動する計画を考案しているとし、また、米国は同計画に参加するアスリートに対して高額報酬を約束し、そしてネガティブに競技することを選択したアスリートの「個人的な評判」を「保護」するためにグローバルリソースを動員していると述べた。

 また、同記事によると、同情報筋はこれはスポーツを政治化し、北京五輪を意図的に妨害する米国の反中勢力のもう一つの例であると批判し、金銭でアスリートを籠絡しようとしており、オリンピック憲章の精神と規定に反していると指摘した。

 これに対し、北京の米国大使館の報道官は29日、米国は以前も現在も五輪の参加を標的とするグローバルな運動を調整していないと述べた。アスリートは大会の精神と憲章に従って、人権促進などを含み自由に意見を表明する権利がある。また、中共がこれを口実として国民を欺き、その劣悪な人権記録から注目をそらそうとしていると指摘した。

 関連ニュースが出た後、話題となり、ネットユーザーから中共を非難するコメントが殺到した。
「中国はなぜこのようなニュースを流したのか。欧米のアスリートが何かトラブルっちゃうと、中国はすぐにその責任を米国に押し付けることができる。つまり、米国が意図的にやったと言うのだ。コロナの時は、米国のせいだと前もって世論や宣伝などを準備出来なかったが、今回は事前に準備が出来ている」

 「これは中共の一貫的なやり方だ。中共は先に噂などを流して、アスリートが抗議した場合、阻止することができるし、さらにその抗議を指示したのは米国であると責任を押し付けることができるし、一石二鳥だ」

 「そうだ。中共の慣用手口だ。先に決めつけをしておいてから、根拠のない言いがかりを告訴するのだ。もしアスリートが五輪で中共に不利な個人発言や行為があれば、中共はすべてを米国の指示だと泥を塗ることができる。そして、邪悪な中共は全く非がないことになる」

(翻訳・徳永木里子)