ヤルクン氏は、父親のヤルクン・ロジのポスターの隣に立っています。(Public domain)

 2008年、ウイグル族の高校生だったKamaltürk Yalqun(カマトゥルク・ヤルクン)氏は、中国共産党に北京夏季五輪の聖火ランナーに選ばれた。今は米国に在住し、北京冬季五輪のボイコットを積極的に呼びかける反体制派活動家である。

 ヤルクン氏は今、米国のボストンに住んでいる。中国共産党がウイグル族をジェノサイド(大量虐殺)し、父親を数年も失踪させているため、北京冬季五輪のボイコットを呼びかけている。

 北京冬季五輪が開幕する前に、ヤルクン氏はAP通信のインタビューで「私から見れば、グローバル公民意識とスポーツ精神はもはや五輪に伴って前進しなくなっているように思える」と語った。

 研究者の情報によると、中国共産党政権はここ数年、ウイグル族を中心とする少数民族を100万人以上、大規模な強制収容所に収監しているという。また、中国共産党の他の様々な信仰団体、人権擁護者、反体制派への迫害も国際社会に衝撃を与えている。

 ヤルクン氏は「このような残虐行為は集団責任である。人々にこんなにも冷淡な反応をされるとは、心が痛む」と述べた。彼は、選手たちがこの舞台でウイグル族への声援と支持を表明することを望んでいる。さもなければ、中国共産党によるジェノサイドと人権侵害の悪夢が続くだけだ。

 ヤルクン氏はAP通信に対し、自慢だった北京五輪の元聖火ランナーから反体制派活動家への変貌を語った。

 中国共産党が初めて夏季五輪を開催した2008年、チベットの活動家たちはすでに中国共産党政権の民族に対する弾圧に抗議している。当時は何も知らなかったヤルクン氏は、政治に関心のない17歳の高校生として、首都北京に行き、青年ボランティアとして五輪に参加する機会があることだけを知っていたと述べた。

 ヤルクン氏は、中国での最初の五輪に参加できることを誇りに思うと語った。しかし、父が行方不明になった後、その誇りは消えた。

 ヤルクンの父、ウイグルの教育家で文学書の編集長であるYalqun Rozi(ヤルクン・ロジ)氏は2016年、「国家転覆罪」で逮捕され、懲役15年の判決を言い渡された。

 ヤルクン氏は2014年に大学院進学のために渡米し、それ以来ずっと米国に滞在している。ここ数年、ヤルクン氏は妹のトゥマリス・ヤルクン氏と2人で父親のためにずっと人権活動を行なっており、中国共産党政権による父親と他のウイグル人の逮捕を非難し、中国共産党が直ちに残虐行為を中止し、父親を直ちに解放するよう要求している。

(翻訳・藍彧)