北京五輪に参加する米国代表団の1人、女子スキー選手カイ・オーエンズさん(17歳)は、初めて出生の地である中国を訪れることに興奮している。

  彼女は17年前に中国安徽省の六安市で生まれ、地元政府庁舎前で両親に遺棄され、16ヵ月後にアメリカ人の両親の養女となった。17歳になった今、彼女は多くの有名スキー選手を負かして北京冬季五輪のアメリカ代表として、かねてから訪ねてみたかった中国に赴いた。

 出生時に捨てられ、アメリカ人夫婦の養女となる

 カイさんは不幸にも2004年8月22日、安徽省六安市の裕安区獅子岡郷政府機関前に遺棄された。地元の公安局は生後わずか数日の彼女を六安児童福祉院に届けた。

 2005年10月10日、すでに2人の子供を育て、中国文化が好きなアメリカ人夫婦が安徽省に訪れ、彼女と養子縁組をし「カイ」と名づけた。

 それ以来、カイさんは養父母とともにアメリカのコロラド州で暮らしている。カイさんの養父は歯科医、養母はデザイナーで、二人ともスキーヤーである。

 カイさんは両親の影響ですぐにスキーが好きになり、その腕前はあっという間に両親の予想を超えた。10歳の頃にはスキー歴20〜30年の両親を凌駕するまでになったのだ。

 両親に全力で支えられて、14歳の頃には様々な大会で頭角を現した。彼女は部門最年少出場者としてNorAm大会で優勝を果たし、2020-2021フリースタイルワールドカップの女子グランプリで最優秀新人に選出されるなど注目の新星となった。

 カイさんは、生みの親に自分が元気であることを伝えたいという願いを込めて、北京五輪の出場を心待ちにしている。

 遺棄されたオリンピック「金メダリスト」

 カイさんの他にも、「捨て子」だったオリンピック選手がいる。マーガレット・マクニールさんは2000年2月26日、中国江西省九江市で生後間もなく親に捨てられ、カナダ人夫妻に引き取られて養子となった。昨年7月26日の東京オリンピック女子100mバタフライの決勝で優勝した。

 モーガン・ハードさんは、2017年にカナダのモントリオールで開催された世界選手権で初の世界公式戦に出場し、全種目優勝と平均台準優勝を一挙に達成した。

 モーガン・ハードさんは、中国広西チワン族自治区の梧州で出生直後に両親に捨てられた。生後11ヶ月の時にアメリカ・デラウェア州の家族のもとに養女として迎えられた。

(翻訳・北条)