中国の旧正月2月1日を迎え、広東省東莞市のある病院では忘年会の際に、「虎虎生威迎新年、手術室里全是銭!(迎える新年の寅年に、手術室にはお金いっぱい)」という横断幕が掲げられ、物議をかもした。
ある私立病院のスタッフパーティーの写真が26日、中国のネット上で流された。写真には、広東省東莞市華康医院の手術室で忘年会が行われている様子が映っている。会場には「虎虎生威迎新年、手術室里全是銭!(迎える新年の寅年に、手術室にはお金いっぱい)」と書かれた赤い横断幕が掲げられている。
この写真は多くのネットユーザーから批判するコメントが殺到した。
「お金を儲けようとする気持ちは分かるが、医療従事者として言うべきことではない。あなたのいわゆる金儲けは、多くの家族の苦しみの上に成り立っているのだ」
「金のみに焦点を当て、患者にどう思われるのか!」
「これは本音の表れだ」
「うっかりして、本音を吐いてしまったのだ」
華康医院はその後、忘年会は21日夜、手術室の一部のスタッフが自発的に行なったもので、横断幕も看護師たちが自分で作ったものであると声明を発表した。病院側は、横断幕の内容が極めて不適切であり、病院の趣旨に反しているとし、関連部署及び職員を調査し、病院の関連規定に基づいて厳重に対処する。
手術室はいったいどれだけ儲けているのか?
中国版ウィキペディアと称される「百度百科(バイドゥヒャッカ)」によると、康華医院は2002年9月に建設した民営の三甲病院(中国で最高クラスの病院)であり、2021年上半期の営業収入は6億7200万元(約121億円)に達したという。
また、韓国の経済紙「毎日経済新聞」の報道によると、康華医院の収益は主に入院医療サービス、外来医療サービス、検診サービスの3つの主要なブロックで構成されているとのこと。2021年上半期に、康華医院で入院医療サービスを受けたのは2万4200人、1人当たりの平均支出額は1万6500元(約30万円)で、同サービスの総収入は約4億元(約72.5億円)。外来医療サービスは51万2500人、1人当たりの平均支出額は447.3元(約8100円)で、総収入は2億2900万元(約41.5億円)。検診サービスは2万8400人、1人当たりの平均支出額は1522.9元(約27500円)で、総収入は4323.21万元(約7.8億円)であった。
同記事によると、康華病院の入院医療サービスの売上が総収入の59.5%を占めて最も高かったという。入院が一般的に手術と関係があるとすれば、康華医院の「お金」は主に「手術室」から出ているのは事実である。
(翻訳・吉原木子)