2月1日は中国の旧正月であることに際し、岸田文雄首相は28日に新年のご挨拶を発表した。日本語版と中国語簡体字版のほかに中国語繁体字版も初めて見られた。
中国本土では簡体字が使われている一方、台湾、香港などは繁体字が使われている。また、意味は大抵通じているものの、微妙なニュアンスの違いや異なる語彙が使われることがある。例えば、簡体字版の祝辞の中では「通过」が使われているのに対し、繁体字版では台湾でよく使われる「透過」に置き換えられていた。つまり、繁体字版は台湾向けのものである。
台湾「自由時報」によると、日台が国交断絶してから50年、日本首相が初めて中国繁体字版の祝辞を発表した。安倍晋三元首相あるいは菅義偉元首相にしても、日中友好に度々言及し、中国本土向けの挨拶を発表していた。しかし、今年が日中国交正常化50周年というタイミングで、岸田首相が祝辞で全くこれに触れず、繁体字版の挨拶を発表したことは、台湾への意識が高まっていると言えるかもしれない。
(看中国記者・黎宜明)