ワニ肉(Gavin Anderson, CC BY-SA 2.0 , via Wikimedia Commons)

 タイでは、アフリカ豚コレラやコロナの影響で、昨年半ばから豚肉の価格が2倍に高騰し、人々は代替食材を探すようになり、そこで注目の的になったのがワニだ。

 1月半ば現在、豚肉の高い部位で1キロ250バーツ(約863円)になることもあるに対し、ワニ肉は遥かに安く1キロ105バーツ(約362円)で、卸売価格は更に安価。また、味も鶏肉に似ていて臭みもなく美味しく、タンパク質が豊富で健康にも良いのだとか。

 海外メディアの報道によると、タイでのワニ肉の販売量が5倍に増えたという。ワニを養殖しているウィチャイさん(65歳、男性)によると、以前は1日せいぜい20キロのワニ肉を売っていたが、今では1日に100キロ以上売るようになったという。

 タイ政府の統計によると、同国では年間約120万頭のワニが生産され、そのうちの6割は主に中国向けに約60億バーツ(約207億円)相当の肉として輸出され、残りの4割はほとんどが皮の材料として使われ、地元のレストランに販売されるのはごくわずかだという。

 高騰する豚の価格よりワニのほうがお得だが、需要が増加により、ワニの価格も1キロあたり50〜100バーツ(約172円~約345円)から80〜190バーツ(約276~655円)に上昇したとという。中でもワニのしっぽは肉質が柔らかく歯ごたえがあり、油分が少ないため、最も高価な部位とされている。

(翻訳・藍彧)