中国当局は、中印国境の衝突で負傷した祁発宝(きはつほう)大佐を北京五輪の聖火ランナーに起用。インドは在中の高級外交官が北京五輪の開会式と閉会式に出席しないと表明した。
中国共産党の公式メディア「環球時報」によると、中印国境の衝突の際に、ガルワン渓谷で頭に重傷を負った新疆軍区の祁大佐が、北京五輪で聖火を持つことになったという。北京五輪が政治化された明らかな動きだと分析された。
インド外務省は3日、記者会見でこれに対し、「遺憾」の意を表し、北京五輪の開閉会式に在中インド大使は出席しないと表明した。
米上院外交委員会の上級委員であるジム・リッシュ議員は、「2022年の北京五輪における聖火ランナーが2020年にインドを攻撃し、ウイグル族に対して大量虐殺を行ったのと同じ軍隊の一員であることは恥であり、米国はウイグル人の自由とインドの主権を引き続き支持する」とツイートした。
仏週刊誌「ル・ポワン」のジャーナリスト、ジェレミー・アンドレ・フロレス氏は、次のようにコメントした。「北京は、五輪は政治化されてはいけない(人権について議論されてはならない)と繰り返し強調してきたが、オリンピック聖火を民族主義のプロパガンダに利用している。」
(翻訳・徳永木里子)