旧正月に近づき、中国共産党(以下、中共)中央宣伝部は地方の通信社に対し、人々の「幸福感」を報道し、第20回党大会に向けて「良い世論の雰囲気作り」を命じた。しかし、現実は宣伝文句とは正反対のようである。
中共公式メディア新華社通信の19日付の報道によると、中央宣伝部が地方の通信社に対して、旧正月期間中に「各地の経済・社会成果」を報道し、第20回党大会に向けて「良い世論の雰囲気作り」というテーマを、記者や編集者に出した。「党委員会と政府」による防疫とコントロールを重点的に宣伝し、人々の「幸福感」と「切なる期待」を報道することを求めた。
ラジオ・フリー・アジア(RFA)の20日付の報道によると、、日本静岡大学の楊海英(ようかいえい)教授が、新型肺炎の新型コロナウイルス(中共ウイルス、SARS-CoV-2)の流行、大量の失業、急速な少子化、経済の下押し圧力など多くの不利な要因を前に、中共当局がプロパガンダを通じて幸福な雰囲気を作ろうとする動きは、当局が自信を喪失したことを示していると述べた。
「オミクロン変異株」が中国の10以上の省に蔓延し、現在、北京でも検出された。中共当局の暴力的な封鎖措置により、強制的に隔離された多数の出稼ぎ労働者や現地の人々が旧正月に帰省できず、食料もなくなるという深刻な問題に直面している。各地で集団抗議デモが発生しているという噂も流れた。
20日、深セン市笋崗慶雲花園団地の住民は、長引く封鎖で外出や出勤ができなくなり、続々と家を出て、抗議デモを行った。中共当局は地元警察官に鎮圧させ、多くの住民を逮捕した。
20日、西安市雁塔区で一部のコミュニティの管理会社は、周辺住民が基本的な食料や生活用品を買いに行くのを阻止し、両者の間で衝突が発生した。地元警察官に通報されてから、抗議参加者の一部を逮捕・拘束したため、多くの人々が集まり、「解放しろ」と叫んだ。
17日夜、天津市西青区大寺鎮の瀾園団地で、出稼ぎ労働者が食料不足に抗議したと伝えられた。大勢の警察官が到着し、抗議活動を主導した車の上に立っていた男を逮捕した。それは現場にいる人々の抗議を招いた。
中共の強硬な防疫対策による抗議デモをめぐり、中央党校の元教授である蔡霞氏は「今、中国各地で『防疫を上回る過酷な政策』が行われている。防疫の名目で、中共当局は人工的な二次的人権災害を作り出し、多くの命を奪い、多くの人々を絶望的な状況に追いやったのだ!」とツイートした。
(翻訳・徳永木里子)