世界経済フォーラム(WEF、ダボス会議)は17日、中国の経済生産高は自然環境の破壊により年間9兆ドル(約1030兆円)の損失を被る危険性があるという報告書を発表した。

 同報告書によると、経済成長を遂げるにつれ、中国の生態系は大きな代償を支払い、GDP成長の65%は生物多様性の損失と生態系の崩壊によって脅かされている。中国のマングローブ面積は1950年代と比較して4割減少し、草原生態系の3分の1以上が著しく劣化していた。このような自然環境の損失は、企業や事業者、消費者に直接的・間接的なリスクをもたらし、あらゆる種類の深刻な社会問題を引き起こす可能性がある。

 中国では、環境の急速な悪化が大きな問題になっているとメディアは報じた。今年は中国各地で大気汚染指数が過去最高を記録し、土壌汚染や水質汚染のデータは中国共産党(以下、中共)もあえて口にしない国家機密となっている。

 アジアを拠点に活動する元ジャーナリストで環境専門家のクレイグ・シモンズ氏は以前、米メディアの取材に対し、10年以上中国に滞在し、環境危機が国民の生活に大きな影響を与えているのを目の当たりにし、中共政府の粗末な環境政策が、地球全体に深刻な影響を与えていると述べた。中国は世界有数の生産国といわれ、海外投資家は中国への投資機会に関心を持っている。しかし、中共政府が作り出した公害は、外の世界にも影響を及ぼしている。このままでは、中共が作り出した影響はさらに深刻なものとなる見込み。

(翻訳・徳永木里子)