フランス国民議会議事堂(Richard Ying et Tangui Morlier, CC BY-SA 3.0 , via Wikimedia Commons)

 フランス国民議会(下院)は20日、中国の新疆ウイグル自治区での人権弾圧が「ジェノサイド(集団殺害)」だとする決議案を、賛成169票、反対1票の圧倒的多数で可決した。

 AFP通信20日の報道によると、フランス国民議会の野党・社会党(PS)のアラン・デイビット議員が提出した決議案は、賛成169票、反対1票、棄権5票という圧倒的な票数を得て、「中国共産党当局によるウィグル族への暴力は、人道に対する罪およびジェノサイドに相当すると公式に認定する」ことがほぼ全会一致で可決された。

 決議文では、記録されている証拠によると、中国共産党はウイグル人のアイデンティティとコミュニティの絆、世代間の伝承を破壊しようとしており、つまり、ウイグル人を全滅しようとしていると書かれた。「中国共産党当局は極端かつ系統的な政治の暴力を組織して計画し、ジェノサイドになっている」とし、この犯罪を犯した中国共産党を非難した。

 同決議案では、フランス政府が中国共産党を非難するよう促し、また、この大量虐殺を終わらせるために、国際社会および中国共産党に対する外交政策において必要な措置を講じるよう政府に求めている。

 世界ウイグル会議のドルクン・イサ会長は声明で、「フランス国民議会がこの決議を可決したことは、ウイグル人の大量虐殺を国際社会でより広く認知させるための重要な一歩である」と述べた。

 ドルクン氏は、フランス政府に対し、国民議会をフォローし、一致の立場を取り、「国際的なパートナーと協力して、このよう残虐な犯罪に終止符を打つ」よう呼びかけた。

(翻訳・徳永木里子)