自由と人権を守ることで知られるアメリカNBAのバスケットボールスター、エネス・カンターフリーダム氏が、2022年の北京冬季オリンピックの中止を呼びかけている。これに対し、中国の元バスケットボールスター選手で現在中国バスケットボール協会会長のヤオ・ミン氏が「中国に実際に訪れてみてほしい」と呼びかけた。カンター氏は19日、自身のツイッターで「オーケー」と応えた上、新疆ウィグル強制収容所やチベット、香港、台湾を訪ね、彭帥(ほうすい)氏とも自由に話したいと述べた。

 17日に北京で行われた記者会見で、カンターフリーダム氏のボイコットについてどう思うかと問われたヤオ・ミン氏は、「もし機会があれば、彼を中国に招待したい…… そうすれば彼は我々についてもっと全面的に理解することができるでしょう」と述べた。

 これに対し、カンター氏はツイッターに「@YaoMingさんお誘いを受け入れます。今夏の中国への旅では、豪華な旅行や宣伝は望んでおらず、新疆ウィグル族の強制収容所、チベット、香港、台湾に連れていってもらえませんか。彭帥氏とも自由にお話したいんですが、習近平に許可を取っていただけませんか」と投稿した。

 カンターの返事に、ネット上では拍手喝采が巻き起こり、Fox Newsの寄稿者デビッド・ウェッブ氏はカンターに、「よく言ったぞ、私の番組にいつでもおいて、そのことを話すことができる」とツイートした。

 カンター氏は「The Story」とのインタビューで、中国共産党高層の人権侵害にプロスポーツ界のほとんどが沈黙を貫いていることを批判した。

 「多くのスポーツ選手、俳優、歌手やラッパーが、お金や推薦契約、所属するチームを気にするあまり、(中国共産党に批判的な)声を上げることを恐れています」

 「彼らは、お金至上ではなく、モラルと原則を守ることが大切だと知るべきです。これは逆になってはなりません。人の命にかかわることです」とカンターは述べ、世界中の若者がアスリートを慕っているため、プロ選手はより一層、自らの言動に注意すべきだと訴えた。

(翻訳・北条)