習近平(右)(The Russian Presidential Press and Information Office, CC BY 4.0, via Wikimedia Commons)

 中国共産党(以下、中共)政法工作会議が15日、北京で開かれた。習近平軍団の陳一新氏ら6人は現れなかった。中共の政法委員会は習陣営と反習陣営に分裂し、しかもこの分裂がすでに公開化していると分析するアナリストがいた。

 中共公式メディア15日付の報道によると、中央政法工作会議が同日、北京で開催され、中央政法委員会の郭声琨書記が議長を務め、演説を行ったという。公式メディアが発表した会議の内容は目新しいものがなく、一貫とした中共の空虚な決まり文句であった。会議の内容とは対照的に、今回の会議に出席した人員はとりわけ目立った。

 外部が注目したのは出席メンバーであった。会議には、政法委員会副書記である郭声琨氏のほか、解任された元中央政法委副書記で公安部長の趙克志氏、中央政法委委員で最高裁判所長官の周強氏、 最高検総長の張軍氏が出席したが、残りの中央政法委の委員である陳一新氏、陳文清氏、唐一軍氏、王小洪氏、王仁華氏、王春寧氏は全員欠席し、6人とも習氏の側近である。

 海外の時事評論家、江森哲氏は、この光景は極めて異常であると分析した。慣例により、政法工作会議は中央政法委員会の全員が出席する必要がある。過去の年を振り返ると、2020年、2021年は全員出席したが、今年は政法委書記の他に、委員は2名のみで、他の6名は全員が欠席した。さらに異常なのは、この6名全員が習氏の側近であったのだ。

 これは少なくとも中共中央政法委のレベルでは、習陣営と反習陣営に分裂し、習陣営が会議をボイコットして欠席し、この分裂が公になったことを示していると、江氏が指摘した。

(翻訳・徳永木里子)