「一帯一路」を一環とする中国ラオス鉄道は2021年12月3日に開通した。中国はタイ、マレーシア、シンガポールを結ぶアジア横断鉄道網を引き続き推進する予定であった。予期せぬことに、中国がタイに鉄道沿線の開発権や、工事に中国の資材や労働者を使用することを提案したことで、タイの反感を招き、中タイ合弁事業の中止を余儀なくされた。
自由時報16日の報道によると、中国当局が南シナ海での紛争や海上輸送のマラッカへの過度依存を避けるため、「一帯一路」を通してアジア横断鉄道網を打ち出したという。この陸上輸送ルートは、中国の雲南省昆明市とラオスの首都ビエンチャンを結ぶ全長1,000km以上の中国ラオス鉄道を主要なルートとして、2021年12月3日に正式開通した。
中国は、同鉄道を利用してタイ、マレーシア、シンガポールの鉄道と接続し、アジア横断鉄道網を発展させようとした。タイは、アジア横断鉄道網の鍵であり、タイを経由して初めてマレーシアやシンガポールをつながることができる。
タイは、融資条件や中国の資材・労働者を使用するなど、さらに鉄道沿線地域の開発権を求めたという北京の要求が不合理であると考えた。これらの要求がタイの怒りを買ったため、タイ政府は、鉄道の長さを6割削減し、バンコクからナコーンラーチャシーマー県までの253kmのみ残した。中タイ合弁会社の設立も中止し、1700億バーツ(約5800億円)の建設費をタイが全額負担することを決定した。
(翻訳・徳永木里子)