(イメージ / Pixabay CC0 1.0)

 フランス政府のデータ保護機関(情報処理・自由委員会)(CNIL)は6日、ウェブサイト利用者が閲覧履歴追跡(クッキー)を容易に拒否できないようにしていたとして、米IT大手のグーグルとフェイスブック(FB、現メタ)に合計2億ユーロ(275億円)の罰金を科した。

 米IT大手がフランスのユーザーにクッキーを即座に受け入れるボタンを1つ与えた一方で、「すべてのクッキーを拒否するために複数のクリックが必要」であるため、同意する場合に比べ、拒否する方が手間がかかることが調査で分かったと、CNILが述べた。

 クッキーは、デジタル広告やその他の目的でネットユーザーをターゲットにするために使用されるコードのスニペットである。欧州各国政府は米国よりも厳しい規則を設けており、ウェブサイトがユーザーの行動を追跡する際には、事前に同意を求めることが義務付けられる。クッキーは、長い間プライバシーに関する問題の原因となり、ネットユーザーを追跡し、誰かのウェブサイトのログイン情報を記録するために使われている。さらに問題視されるのは、利用者のウェブ閲覧履歴を記録するために使われることである。

 CNILは、グーグルに1.5億ユーロ(約196億円)、フェイスブックに6千万ユーロ(約79億円)の制裁金を科した。そして、3カ月以内にフランスのユーザーのクッキーの拒否を簡便化しなければ、1日あたり10万ユーロの罰金を科すと強調した。

(翻訳・徳永木里子)