新しい年になりました。中国共産党政権に支配されている中国にとって、2202年は北京冬季オリンピックから秋に開催される第20回中国共産党大会まで、いくつかの重要な時期を迎えることになります。新型コロナウイルス(中共ウイルス、SARS-CoV-2)のパンデミックが3年目に入り、中国は依然として世界から孤立したままになるのでしょうか? 習近平氏はどこまで歩めるのでしょうか?世界の舞台で中国のポジションがどうなるのでしょうか?中国共産党と西側諸国の関係はさらに悪化するのでしょうか?
CNNの記者がまとめた今年の中国で注目すべき5つの重要な出来事を紹介します。
北京冬季五輪
今年2月には、夏季オリンピックと冬季オリンピックを開催する最初の都市である北京に再び世界的な焦点が当てられます。しかし、この2つのオリンピックのコントラストは際立っています。
2008年の北京夏季オリンピックは、テーマソング「Welcome to Beijing(北京はあなたを歓迎します)」を歌うなど、中国が世界の舞台で活躍していたと広く認められていましたが、2022年の北京冬季オリンピックは、参加者、選手が一般の中国人から隔離され、厳密に封鎖された環境の中で開催されるでしょう。
また、新疆ウイグル自治区やチベットにおける中国共産党の人権侵害、香港への弾圧、法輪功への迫害に抗議するため、人権活動家は長い間、北京冬季オリンピックのボイコットを呼びかけています。中国共産党政権は最近、中国テニス界のスター、彭帥さんが元副首相から受けた性的暴行の告発を無視したことで、さらなる広い抗議を引き起こしています。
米国を含む数カ国が北京冬季オリンピックの外交ボイコットを表明していますが、これらの国からの選手の参加は認められています。
「コロナ・ゼロ」の3年目
繰り返す感染拡大の発生と高い代価を払ったロックダウン措置の後、中国共産党政権の「コロナ・ゼロ」戦略が広く疑問視されているにもかかわらず、そのやり方を変える兆しはありません。
中国北西部の古都西安で去年年末から、1300万人の住民が十数日間も自宅で隔離されています。
河南省禹州市は110万人の住民に対し、2日から町外に出ることを禁じています。
河南省の洛陽市と周口市が管轄する2つの県もいくつかの地域を封鎖しました。
中国共産党幹部が武漢での大流行以来、国内最大の感染症の封じ込めに奮闘しています。しかし、地元関係者は、強硬な政策を実行する準備ができていないようです。ここ2週間、中国のSNSでは、食糧や生活必需品の不足に直面する西安市民の悲鳴で溢れかえっています。商店の閉店や自家用車の通行禁止だけでなく、医療サービスにも深刻な影響が出ています。
ある大学生はネット上で「発熱で治療を求めたが、6つの病院から治療を拒否された」という経験を語っていました。
西安市の妊娠8ヶ月の女性が腹痛のため西安高新病院に行ったが、PRC検査証明書の期限が4時間過ぎたという理由で入院を拒否され、病院の外で大量出血するまで診察されず、8ヶ月の赤ちゃんは流産してしまいました。
西安市のあるネットユーザーはウェイボー(微博、Weibo)で、心臓発作を起こした父親に付き添って病院に行ったが、住んでいる団地の感染者が多いため、病院に入ることを禁止され、治療を拒否されたため、父親は診察を待っている間に亡くなってしまったと投稿しました。
今回の封鎖は、多くの人にとって、流行初期の混乱と落胆に満ちていた暗い時期の辛い記憶を呼び覚ますものでした。
習近平氏「3期目」の可能性
さまざまな兆候は、習近平氏が今秋北京で開催される第20回中国共産党全国大会で、3期目を勝ち取る可能性があることを示しています。
習氏は数十年で最も強力な中国の指導者であり、任期制限を廃止し、いわゆる「習近平思想」を憲法に盛り込みました。2021年、彼はさらに一歩進んで、中国共産党政権の歴史における重要な決議を可決し、毛沢東、鄧小平と並べ、党内での権力を確保することに成功しました。
習氏の指導の下、中国共産党政権は芸術・文化から学校・企業に至るまで、社会のあらゆる面への支配を強化してきました。中国共産党は、ますます多くの批判的な声を封じ、ますます多くの中国の有名人を抑制し、その影響力を市民の私生活にまで拡大させています。
同時に習氏は、民主主義、報道の自由、司法の独立といった西側の価値観と呼ばれるものに対してイデオロギー戦争を開始しました。また、欧米を疑い、公然と敵視する狭量なナショナリズムを扇っています。
では、習氏は3期目にどこまでやるのでしょうか。毛沢東時代に戻るのでしょうか?
悩まされる経済問題
中国共産党は、繰り返される新型コロナウイルスの流行、サプライチェーンの混乱、続く不動産危機など、2022年の経済成長に深刻な影響を与えかねない数々の課題に対処しています。
2022年、世界の主要銀行は中国の成長率予測を4.9%から5.5%の間に引き下げるでしょう。これは、1990年以来2番目に遅い成長率になります。
習氏の最大の関心事は、3期目までに国を安定的に運営することであり、すでに国内問題にもっとも注力したいとの意向を示しています。
しかし、アナリストは、中国が投資、技術、貿易において国際金融センターに依存していることを考えると、習氏はある程度外の世界を考慮に入れなければならないと述べました。
中国と世界
パンデミックの初期には、中国共産党は新型コロナウイルスの世界的危機を、中国共産党自身のイメージアップのチャンスにしようと考えていました。マスクやその他の医薬品などを多くの国に送り、中国製ワクチンを世界的な公的製品にすることを約束しました。しかし、中国共産党の期待通りに物事は進展していませんでした。
中国共産党政権による武漢発生当初の隠蔽行為、外交官や宣伝担当者による海外への偽情報の流布、そして現在進行中の新疆ウイグル自治区、チベット、香港に対する弾圧など、これらすべてが、中国の国際的な評価を急落させました。
ピュー研究所(ピュー・リサーチ・センター)によると、世界の先進国の中では、中国共産党政権下での中国に対する否定的な認識は過去最高に達しています。昨年ピュー研究所が調査した17カ国では、大多数の人が中国に対して普遍的に否定的な見方をしています。否定的な見方をする人は、日本で88%、スウェーデンで80%、オーストラリアで78%、韓国で77%、米国で76%です。
2021年、中国共産党と台湾の緊張が高まるにつれ、米中関係はさらに悪化しました。米国は、中国共産党の台頭に対抗するために、ヨーロッパやインド太平洋地域の国々との緊密な関係を築こうとしています。そして、これらの取り組みは、新しい年に加速する可能性があります。
中国共産党のプロパガンダは、中国を「かつてないほど世界の舞台の中心に近づけました」と習氏を繰り返し賞賛しています。しかし、中国が依然として世界から孤立させられるかどうかは、中国共産党と習近平が2022年に直面する重要な問題となっています。
(翻訳・藍彧)