米国テスラ社の電気自動車(MIKI Yoshihito, CC BY 2.0, via flickr)

  米電気自動車大手・テスラが中国西部、新疆ウイグル自治区にショールームを開設したことで米国の人権団体は4日、中国共産党当局がそこに居住するイスラム教徒主体の少数民族に対してジェノサイド(大量虐殺)を行っているため、テスラにそのショールームを閉鎖するよう呼び掛けた。

 テスラは12月31日、中国SNS大手のウェイボー(微博、Weibo)の公式アカウントで、新疆の都市ウルムチにショールームを開設したと公表した。店内の写真とともに「2022年、私たちと一緒に新疆でEVの旅を始めましょう」と投稿した。

 ワシントンDCに拠点を置く米国最大のイスラム教市民団体「米イスラム関係評議会(CAIR)」は4日、ツイッターの公式アカウントに「テスラは大量虐殺を支援している」と投稿し、「(テラスの創業者)イーロン・マスク氏は新疆ウイグル自治区のショールームを閉鎖しなければならない」「大量虐殺への資金援助を停止せよ」と訴えた。

 米イスラム関係評議会のコミュニケーション・ディレクターであるイブラヒム・フーパー氏は、「いかなる米国企業も、宗教や少数民族に対する大量虐殺の焦点となっている地域で事業を行うべきではない」と述べた。

 米製造業提同盟(AAM)やルビオ米上院議員もテスラを批判した。

 独フォルクスワーゲン、米ゼネラルモーターズ、日産自動車などの企業も新疆にショールームがあり、これらの自動車メーカーの中国合弁パートナが経営している。これらの企業はいずれも、民主主義国家からの抗議に直面する可能性が高い。

 国連の専門家や人権団体は、新疆ウイグル自治区で100万人以上のウイグル族などイスラム系少数民族が収容所に拘束されていると指摘している。 

(翻訳・徳永木里子)