(外務省のウェブサイトより)

 国連安保理の常任理事国で、核保有国の米国、英国、フランス、ロシア、中国の5か国は3日、核戦争や軍拡競争を防ぐための共同声明を発表した。

 5か国は声明の中で、「核兵器の保有国同志の戦争の回避と、戦略的なリスクの軽減が最も重要な責務だとみなしている」とし、「核戦争に勝者はおらず、決して戦ってはならない」と強調した。

 また、「核兵器の使用は広範な影響を及ぼすため、核兵器が存在し続ける限り、防衛目的、侵略抑止、戦争予防のために利用されるべきことを確認する 」 とした。その上で核拡散の防止を訴え、核拡散防止条約(NPT)で課された義務に対するコミットメントを表明した。 

 5カ国はまた、世界的な核兵器の廃絶に向けて努力し、「核兵器の不正使用や事故」を防ぐため、自国の国内措置を改善することを約束した。

 声明は、核拡散防止条約加盟国のコミットメントを再確認するものである。核兵器のさらなる拡散を防ぐことを目的とした核拡散防止条約は1970年に発効した。 

 今回の声明は、4日から開催が予定されていたものの、新型コロナウイルス(中共ウイルス、SARS-CoV-2)の影響で、今年8月に延期が決まった核拡散防止条約の再検討会議に合わせて用意されたものとみられる。

 5カ国はいずれも国連の、より核兵器を包括的に禁止する「核兵器禁止条約」に署名していない。この条約は、将来的な核兵器の全廃へ向けた、核兵器を包括的に法的禁止とする初めての国際条約である。2017年7月7日に国際連合総会で採択され、2021年1月22日に発効した。

 5カ国は、ロシアによるウクライナとの国境沿いでの軍増強を受け、西側諸国との間の地政学的な緊張が高まる中で、この共同声明を発表した。 

 国際社会は、共同声明を出した中国が国際的義務を履行する誠意と能力に疑問を呈している。なぜなら、中国共産党は1984年に署名した「英中共同宣言」で、香港への主権返還後50年間は香港の高度な自治を維持することを約束したが、香港国家安全維持法を実施することで、香港の自由と民主主義の体制を完全に破壊したからである。

(翻訳・藍彧)