寅年の到来とともに、中国語の「虎」の発音の問題が話題になっております。皆さんは、「虎」の発音は「フー(hǔ)」だけではないことにお気づきでしょうか。苗字としての「虎」は、「猫」の発音「マオ(māo)」と同じ発音になります。
月刊誌『咬文嚼字』の編集長である黄安靖によると、「虎」を「マオ」と発音するのはレアなケースです。たとえば、湖北省の一部のトゥチャ族の住む地域では、「虎」は「マオ」と呼ばれることがあり、特に高齢者は「虎」を「フー」ではなく「マオ」と言うのが普通です。さらに、当地の方言で「斧(フー)」と「虎」は同音語となるため、本物の「斧」も「マオ」と呼ばれます。こう見ると、「虎」と「猫」はまさかの同音異義語になりましたね!
しかし、虎と猫の関係は文字の発音だけではありません。虎と猫は体型や生活習慣がかなり異なりますが、同じくネコ科の動物として、多くの共通の特徴があります。虎と猫は身体の形がやや似ており、どちらも胴体のわりに比較的手足が細いです。また、鋭い歯と爪を持つ「奇襲型」の動物でありながら、身を隠すのが得意です。目を付けた獲物にそっと忍び寄り、待ち伏せして機会を狙います。
虎と猫は体型がかなり異なりますが、体の構造には多くの類似点があります。まず、虎と猫の爪には、静かに歩くことを可能にする肉球を持っています。これは狩猟の際の待ち伏せに有利です。鋭い爪は引っ込めることができるので、普段は隠していますが、狩猟時の必要なときに剥き出しにします。よって、爪の磨耗を防ぎ、常に鋭い状態を保つことができます。犬の露出した爪とは異なり、ネコ科たちの爪は生存率を高めることに役立ちます。
さらに、夜に光線に当たると、ネコ科の目は光ります。これは、ネコ科の目には輝板(タペタム)と呼ばれる層が網膜の下にあり、目に入った光線を再び網膜に反射させることができるからです。より多くの光線が網膜に入るため、ネコ科は強力な暗視能力を持ち、暗い夜でも獲物を捕らえることができます。
似た者同士の虎と猫は、非常に早い段階で異なる進化の過程を歩んできました。にもかかわらず、虎と猫は体の構造と生活習慣で、まだ多くの共通点があるのです。ということで、「虎(マオ)さん」が「猫(マオ)さん」と呼ばれるのも、完全なデタラメではないようですね。
(翻訳・宴楽)