(ツイッター動画のスクリーンショット)

 中国北西部の陝西省西安市では、感染者が増え続ける対応措置として、都市全体を消毒作業している。建物や道路の表面が猛毒のある消毒液で覆われ、「毒の都市」となっている。

 公式データによると、ロックダウン(都市封鎖)の4日目の西安市では25日、症例のある感染例が155人と前日の75人から急増したと発表した。ウイルスの拡散を抑えるため、当局は26日18時から、全面的な消毒作業を実施した。この措置により、市内の全ての建物と道路の表面が猛毒のある消毒液で覆われた。当局は、建物の外面や花や木に触れた場合は、中毒を起こさないよう、すぐに水で洗い流すようにと呼び掛けた。

 ネットユーザーが投稿した動画では、西安市の消毒作業を凄まじい勢いで行っている様子が映っている。

 このような政府の対応措置は、多くのネットユーザーから疑問視された。

 「新型コロナの除去効果が全く得られず、引き起こす環境汚染がさらにひどくなるため、広範囲での消毒作業は推奨されないものだということは、防疫の専門家からすでに指摘されている。西安当局は、勘違いしているのではないか?」

 「この全面的な消毒はどんな方法で行われているのだろうか。もし、従来の散布方法であるなら、この消毒方式は科学的に評価されているのだろうか?このような殺菌は環境に悪影響を与えないのだろうか?市全体の消毒にかかる費用はどのくらいか?このお金をもっと必要とされている他の分野に使えないのか」

 西安市では9日から25日に485人の新規感染が確認された。市の関係者は26日の記者会見で、3回目の大規模検査実施を明らかにするとともに、高水準の新規感染が今後数日続く可能性を指摘した。

 中国ではオミクロン株は海外からの入国者から検出されているが、西安市ではまだ報告されていない。海外から持ち込まれた例を含めた25日確認の新規感染者数は206人で、前日の140人から増加した。死者は報告されていない。

 現在、西安市全体が閉鎖され、住民にはPCR検査を受ける以外、自宅隔離が求められている。高リスク地域の団地では、住宅棟のマンション入り口が完全に封鎖されている。

 ネットユーザーが投稿した動画には、西安の封鎖区域のマンション入口の門が鎖でロックされている様子が映っている。

 西安財経大学のある学生は、「明日、140人が1つの教室で試験を受けるので、本当に死ぬほど怖い。風邪を引いても薬がないく、我慢するしかない。食堂の従業員はマスクをしていないし、宿舎の1階ではネズミが走り回っているし、1階の廊下にゴミが山積みになっている」と防疫中の死角を暴露した。

 西安市の感染は陝西省の他の地域にも広がっており、当局は大規模な検査を行っている。

(翻訳・吉原木子)